半導体株の投資家にとって、今年は散々な一年だった。だが光明がさす前に、さらに大きな嵐に耐える必要があるかもしれない。半導体銘柄の今年のパフォーマンスは金融危機以来の低さとなった。米マイクロン・テクノロジーの9-11月期決算が不振だったことも、業界に暗い影を落とした。フィラデルフィア半導体指数(SOX)は22日に4%余り下げ、年初からの下落率は36%に達した。それまでの3年間は平均で年間51%上昇し、市場全体を大きく引き離していた。景気循環型の業種の常として、株価は業績に大きく先行した。世界半導体市場統計(WSTS)のデータによると、世界の半導体売上高は1~6月に前年同期比23%増加。一方、SOXは6月末時点で年初の水準を35%下回っていた。株価が先に反転したのは、新型コロナウイルス流行初期に起きた品不足は続かず、いずれはむしろ在庫を押し上げ、売り上げ鈍化につながることを投資家が経験則で知っていたためだ。
半導体株、見えぬ底入れ
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