米国の投資家たちは今年のクリスマスに、過去の中国ブームの亡霊に悩まされている。具体的には、中国の経済活動再開により、原油価格が押し上げられ、インフレ抑制を目指す米連邦準備制度理事会(FRB)の政策対応が難しくなる可能性があるため、一部の投資家らは眠れずに寝返りを打っている状態だ。彼らはもっと安心して休むべきだ。中国の経済活動再開は世界の石油需要を押し上げるとみられるが、その度合いはほぼ確実に、多くの市場参加者が予想していると思われるものよりずっと小さいだろう。ここで注目すべき重要ポイントは、中国の石油需要が米国や大半の先進国のそれと違い、依然として工業部門、とりわけ住宅を原動力とした、エネルギー集約型の重工業部門と深く結びついていることだ。米国の運輸部門は、米石油需要の70%近くを占める。しかし中国では、工業部門と建設部門が2020年の石油需要の約半分を占めた。例えば、大量のペンキや石油化学製品、掘削機やその他の建設車両向けの燃料などだ。運輸部門はわずか31%だった。新型コロナウイルス流行前の2019年でも、運輸部門は34%にとどまった。
中国、FRBの軟着陸シナリオ台無しにはせず
経済活動を再開しても石油需要とインフレへの圧力は恐らく予想ほど強くない
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