特別買収目的会社(SPAC)がブームに沸いていた頃、誰もが先を争ってSPAC設立に走った。だが今、関係者は年内にSPACを清算しようと急いでいる。SPACを巡る熱狂は見苦しい結末を迎えた。今月に入り、SPACの閉鎖は1日4社のペースで続いている。これは昨年初めに、このセクターがピークに達していた頃のSPAC設立のペースとほぼ同じだ。閉鎖を急ぐ背景には、すぐに買収・合併できそうな候補企業が見当たらないことや、新たな税金が来年から課されることが突如決まったという事情がある。約70社のSPACが今月すでに清算を完了し、投資家に資金を返却した。調査会社SPACリサーチによると、この数はSPAC史上でこれまでに清算された会社の総数を上回っている。SPACの設立者は、今月の清算で6億ドル(約797億円)以上、今年に入ってからは11億ドル以上の損失を出した(SPACリサーチ調べ)。
SPACに清算ブーム、損失さらに膨らむ見込み
年内めどに閉鎖進む 買収候補見当たらず、来年導入される新税も背景
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