ベルナール・アルノー氏は1980年代に若き大物実業家としてニューヨークで暮らしていたとき、最も価値のある不動産のいくつかが5番街と57丁目の角にあるとすぐに気づいた。ルイヴィトンの旗艦店が入居する北東の角のビルを買うと、通りを挟んだ南側にあるティファニーがすぐそこに見えた。「われわれはいつか二つ以上の角を取るだろうと言った」。インタビューに応じたアルノー氏は、改装を終えたティファニーの旗艦店のガラス張りの最上階でそう話した。現在、四つ角のうち三つがアルノー氏のものだ。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンの最高経営責任者(CEO)兼会長で支配株主でもあるアルノー氏は、名実共に高級品業界を独占している。2011年にブルガリ、その10年後にはティファニーを買収。きらびやかな交差点で自身が支配していないのは百貨店バーグドルフ・グッドマンが所有する角だけだ。
ティファニーの「現在地」 世界一の富豪が語る
ニューヨークの旗艦店を全面改装したティファニー、LVMH傘下に入ってから利益が倍増とベルナール・アルノー氏
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