今、シリコンバレーをはじめ、世界中で「ストイシズム」の教えが爆発的に広がっている。日本でも「最重要な仕事の原理原則の一つ、焦らず騒がず他人と比較せず、自分にとって重要なことほどゆっくり構えるヒントになる本」「ただの投資本ではない画期的な哲学書」と絶賛されているのが『THE ALGEBRA OF WEALTH 一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』(スコット・ギャロウェイ著/児島修訳)だ。ライターの小川晶子氏による特別寄稿をお届けする。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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貯金のイメージを一瞬でポジティブにする方法
「貯金する」という言葉に、どんなイメージを持っているだろうか。
地道にコツコツ。
上手にやりくりして節約。
必要なこととはわかっているけれど、正直、苦手……という人も少なくないだろう。
私も、自分の貯金にはあまりいいイメージを持っていない。
わずかしかない、というのもあるが、今後のためにと思っても「よーし、貯金するぞ!」というポジティブな気分にはなかなかなれないのだ。
ユーモアたっぷりに資産形成について教えてくれる本『THE ALGEBRA OF WEALTH 一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』は、そんなネガティブイメージを一瞬で変える方法を教えてくれている。
それは、言葉を変えること。
(――『THE ALGEBRA OF WEALTH 一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』p.243)
「貯金」を「構築」、「予算」を「配分」と言い換えるのだ。あまりにも簡単。しかし、イメージが大きく変わる。
「貯金したい」とはあまり思わなくても、「富の構築をしたい」とは思う。
富の構築に向けた最初の一歩
もちろん、言葉を変えるだけでいいというわけではない。
本書には富の構築のための実践的アドバイスが豊富に書かれている。
避けて通れないステップは「支出を記録すること」だ。
家計簿アプリなどを利用して、週に1回でも記録すれば実際の支出額が正確に把握できるようになる。
記録は確かに面倒だが、「記録するだけ」と言うこともできる。
「浪費してはいけない」「節約しなくてはいけない」ということではなく、まずは何にいくら使ったかを記録するだけ。
それによって自然と貯金ができるようになっていく。
「だいたい週にいくら使うかわかっているから、記録なんてしなくてもいいよ」という人もいるかもしれないが、私たちは支出を低く見積もりがちだそうだ。
人は将来の支出を低く見積もりがちだ。それは遠い将来のことだけではない。
ある研究によれば、被験者は翌週の支出を100ドル少なく見積もっていた。その翌週も、同じ月の残りの週にも同じ予測ミスを繰り返した。
――『THE ALGEBRA OF WEALTH 一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』p.243
要するに、毎週毎週、予測より実際の支出のほうが多いということだ。
なぜなら「例外的な支出」を考慮に入れていないから。
しかし「例外的な支出」は常に多かれ少なかれ発生している。
データをつくることで正確に予測できるようになる。
いくら貯金すればいいのか?
長期的な資産形成を目指すには「投資」にお金を回していく必要があるが、その手前に「貯金」がある。
何のためかといえば、「生活防衛資金」だ。
高額の医療費や車の修理、冠婚葬祭など、予期せぬ出費に備えるためのお金である。
よくあるアドバイスは、生活費3~6か月分の貯金をしておこうというものだ。
本書では、今貯金が全然ない人はまず1000ドル(約15万円)をつくることをすすめているが、その後はケースバイケース。
お金は「使うために」貯めているのだからと、柔軟な考え方をしている。
生活費6か月分もの貯金が必要ない人もいるし、常に一定に保つ必要もないという。
生活防衛のためにいくら持っておけばよさそうか考え、実際に必要になったらきちんと使うことが大事だ。
経済的自立の基礎となる資産額とは?
そのうえで、いよいよ「投資」である。
長期的に運用する、経済的自立の基礎となる資産を築く。
「働かなくても、自分が望むライフスタイルを維持できる資産額」が目標となる。
その額の目安となるのは、年間消費支出額×25。
年間数%のインフレ率を差し引いたうえで、資産を4%の利回りで運用すると仮定して、「25倍」という数字になっているそうだ。
年間消費支出が100万円なら2500万円。
300万円なら7500万円。
計算が簡単でわかりやすい。
これだけあれば、働かなくても自分が望むライフスタイルを維持できる。
この目標に向けて、富の構築をしていくのである。
貯金ゼロの人が絶対やってはいけないこと
地道に貯金するより、投資で一気に増やしたいと思う人もいるかもしれない。
たとえば信用取引などレバレッジのきくやり方をすれば、資金が少なくても大きな金額を動かすことができる。
しかしそれは危険な考え方だ。
たとえギャンブル的に投資でうまくいったとしても、お金の管理ができなければ経済的自立とはほど遠い。
セコくなる必要はないが、お金を管理できるようにすることは経済的に自立し、幸福な人生を送るうえで必須である。
その点、本書は「投資でお金を増やす」までの基本的なことについても丁寧に教えてくれている。
基本から学びたい人に最適な一冊だ。
(本書は『THE ALGEBRA OF WEALTH 一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』に関する書き下ろし特別投稿です)









