EVよりハイブリッド車、米で人気急上昇カリフォルニア州の自動車販売店「ロンゴ・トヨタ」 JANE HAHN FOR THE WALL STREET JOURNAL

 自動車メーカーは長年、面白みのない低燃費車というハイブリッド車(HV)のイメージからの脱却に取り組んでおり、よりスポーティーなデザインと高い馬力を持つように作り直してきた。かつてニッチな存在だったHVは今や米国で最も人気のある車になっている。

 HVは、ガソリンエンジンと電池で動くモーターを組み合わせて燃費を向上させた車のことだ。トヨタ自動車の「プリウス」が20年以上前にこの技術を導入して以来、HVは米国の自動車市場で小さいながらも安定したシェアを占めてきた。近年では、自動車メーカー各社が米テスラに対抗するために多くの電気自動車(EV)を導入する中で、HVは電気のみを動力源とするEVの後塵(こうじん)を拝してきた。

 しかし各メーカーは、排ガス規制強化に対応する必要もあってHVのラインアップを系統的に拡大しており、一部のメーカーにとってはHVが競争上の強みとなっている。例えばHVのけん引役であるトヨタは、米国で販売するガソリン車のほぼ全車種のHV版をそろえている。トヨタのセダン「カムリ」やミニバン「シエナ」の新型車のように、HVが唯一の選択肢であるケースもある。