1位の慶應義塾の出身学部は
看護医療学部が最多

 23年のランキングトップ3は、1位が慶應義塾、2位がアクセンチュア、3位が楽天グループだった。

 慶應義塾は2年連続トップだ。慶應義塾大学の就職データによれば、最も多いのは看護医療学部の68人で、次いで薬学部から7人が採用されている。このことから、慶應義塾大学病院関連の就職が多いと考えられる。同病院は1920年に開設されて以来、多くの政治家や芸能人、著名人が利用していることで知られる東京都内有数の総合病院だ。

 3位の楽天グループについては、文学部、経済学部、総合政策学部、商学部、法学部など文系学部出身者が多い。
 
 コンサル企業については、PwCコンサルティングが前年3位から6位に、ベイカレント・コンサルティングが9位から16位に順位を下げた。一方、野村総合研究所は7位から5位に、EYストラテジー・アンド・コンサルティングが20位から9位に、デロイト トーマツ コンサルティングがランク外から10位に順位を上げた。

 早稲田大学と同様、コンサル業界が急速に規模を拡大しており、同業者の中で人材獲得競争が激化している様子がうかがえる。例えば、アクセンチュアなら経済学部出身者が最も多く、17人が採用されている。それに続いて、文学部と商学部出身者が13人ずつだった。文系・理系を問わず、さまざまな学部出身者がコンサル会社に就職している。

リクルートが一気に上昇
チャレンジングな学生が増えた?

 三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行、東京海上日動火災保険など金融系の人気は根強いが、就職者数という点ではコンサル企業に押されている。

 意外な伏兵として注目されるのは、リクルートだ。前年は11人しか採用されていなかったが、23年には67人にまで増え、7位にランクインした。楽天グループと同様、リクルートも文系学部出身者が多いのが特徴だ。

 急激に採用数が増えた理由は明確ではないが、リクルートは多岐にわたるキャリアを積める企業体制を整えており、コンサル企業と類似点がある。

 コロナ禍を経て、不確実な時代の中で個人能力を高められる環境を求め、保守的な学生よりも幅広い分野にチャレンジしたいという学生が増えたのが影響していると考えられる。

*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。

【ランキング表の見方】
2023年春の大学別の主な就職先。就職先名称は原則としてアンケート調査時点の各大学の回答による。大学通信の調査方法によって表記しているため、正式名称と異なる場合がある。大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。東京大学は「東京大学新聞」から集計、大学院修了者を含む。(調査/大学通信)