米で中国系移民が急増、頼りはチャイナタウンニューヨーク市フラッシングのチャイナタウンにある「ファミリーホテル」に滞在する中国人の父親と息子 BING GUAN FOR WSJ

【フラッシング(米ニューヨーク市)】アウディ・リンさんの旅は、中国南東部の海岸から始まった。中南米でカミアリに刺されたが、約1カ月後にはメキシコから米国に入国できた。拘留センターから解放された後、ニューヨーク市へと向かった。

 リンさんの故郷である福建省出身の遠い親戚がラガーディア空港まで車で迎えに来て、フラッシングにあるチャイナタウンに連れて行ってくれた。ここは米国で最大級のチャイナタウンだ。道中、親戚はリンさんに、中国系移民に好意的な宿泊施設に関する情報や求人を掲載した中国語のウェブサイトやアプリを教えてくれた。中国系移民の多くは、リンさんのように米国境警備隊に拘束されてから亡命を申請し、移民裁判所による審査を待つ間、米国に滞在することが許される。