アルツハイマー病の新たな血液検査
診断精度は専門医を上回る
血液中の特定のタンパク質濃度を測定する新たな血液検査が、初期のアルツハイマー病(AD)の発見において、医師の評価よりもはるかに正確であったとする研究結果が報告された。このAPS2(amyloid probability score 2)と呼ばれる血液検査により、軽度認知障害や初期の認知症を有する人がADの病理学的特徴を有することを91%の精度で特定できることが示されたのだ。
スカネ大学病院とルンド大学(いずれもスウェーデン)のSebastian Palmqvist氏らによるこの研究結果は、アルツハイマー病協会国際会議(AAIC 2024、7月28日~8月1日、米フィラデルフィア)で発表されるとともに、「Journal of the American Medical Association(JAMA)」に7月28日掲載された。
ADは、脳内でのアミロイドβ(Aβ)の蓄積と神経細胞内へのリン酸化タウの蓄積を特徴とする。APS2は、血中のリン酸化タウ217〔p-tau217〕と非p-tau217の比率、およびAβ42とAβ40の比率(Aβ42/Aβ40)の測定値に基づき、ADの病理学的特徴を特定する。