米中間で続いている半導体の覇権争いで、米国は最先端技術で明らかに優位に立っている。しかし、汎用(はんよう)品の分野では中国の優勢に傾きつつあるかもしれない。
米国の輸出制限によって中国の先端半導体の進歩が停滞する中、中国はより成熟した「レガシー半導体(汎用半導体)」の生産を積極的に拡大している。これらは、米エヌビディアの人工知能(AI)向け半導体といった高性能チップほどの魅力はないが、自動車や家電製品などの必需品には欠かせない。実際、新型コロナウイルス流行下での汎用半導体の供給不足が、自動車市場に大混乱を巻き起こした。
モルガン・スタンレーによると、中国は2024年にウエハー加工装置に410億ドル(約6兆4000億円)を費やし、前年比29%増加した。これは世界全体の投資額の約40%に相当する。2021年には240億ドルだった。