ウォール街は毎年12月になると、さまざまな資産の翌年のリターンを予測する。翌1月には、その予測が間違っていたことが判明し始める。毎年繰り返されるこうした予測の儀式がばかげていることは、読者もおそらくすでにご存じだろう。だがそれが有害でもあることには気付いていないかもしれない。それでも、自分の投資に対する考えをはっきりさせるきっかけにはなる。1年間の市場予測はどれほど不正確なのだろう。それはまるで、真夜中に明かりのない洞窟で、そこにはいない黒猫を探すようなものだ。2024年が始まった時点で株式アナリストが予想したS&P500種指数の平均リターンは7.4%で、市場ストラテジストの予想は1.3%だった。実際の配当込みのリターンは25.02%だった。