1位はT.S.I
平均年収385.9万円

 今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って「年収が低い会社ランキング2024【大阪除く近畿地方】」をお届けする。

 対象は、大阪府を除く近畿地方(京都、兵庫、和歌山、奈良、滋賀、三重の1府5県)に本社を置く上場企業。対象期間は2023年5月期~24年4月期。従業員数が100人未満の企業は除外した。

 それでは早速、ランキングを確認していこう。

 1位はサービス付き高齢者向け住宅や訪問介護事業などを行うT.S.I(京都府京都市)で、平均年収は385.9万円(従業員418人、平均年齢44.8歳)。

 高齢化が進む中で介護サービスの需要は高まっており、人材の確保は大きな課題となっている。一方で、全国の介護事業所の倒産件数が過去最多(東京商工リサーチ調べ)となるなど、経営環境は厳しく、年収水準を引き上げるのには困難を伴う。

 T.S.Iは前年の2023年12月期の平均年収383.9万円(従業員数382人、平均年齢44.7歳)からわずかに上昇したものの、今回のランキングでは唯一の平均年収300万円台となり、1位となった。

 2位は京都ホテル(京都府京都市)で、平均年収は414.7万円(従業員数367人、平均年齢38.9歳)。

 同社は1927年に設立し、京都ホテルオークラなどを運営している。ちなみに、京都ホテルオークラの前身である常磐ホテルは、渋沢栄一が創立に関わった西日本で唯一のホテル会社として知られている。

 平均年収は前回の364.3万円(従業員数391人、平均年齢39.1歳)から約50万円もの大幅増となった。

 新型コロナウイルスによりホテル業界は大きな影響を受けたが、国内観光需要が増加したことに加え、訪日外国人旅行者数が回復し、活況を取り戻しつつある。

 これらを追い風に、24年3月期には売上高は91億3800万円(前年同期比24.3%増)、営業利益は9億5300万円(前年同期は営業損失2900万円)、経常利益は8億700万円(前年同期比912.7%増)、当期純利益9億3400万円(前年同期比1402.1%増)となった。

 平均年収が増加した背景には、こうした業績の急回復もあるのだろう。