自分は将来どうなるだろうか……。そんな不安を持つ人は少なくない。「いつまで第一線でいられるか」「いつまで他人と競えばいいのか」「いまいる友達は60歳になっても友達か」「気力体力はどうなるか」「お金は?」「いまのうちにやるべきことは?」など。そこで本連載では、2025年に60歳を迎える奥田民生の10年ぶりの本『59-60 奥田民生の仕事/友達/遊びと金/健康/メンタル』の中から、民生流の「心の持ち方、生きるヒント」を紹介する。吉川晃司との新ユニット「Ooochie Koochie」(オーチーコーチー)も話題の奥田民生は、これまでどのように考え、どのように働き、どのように周りとの関係を築いてきたのか。その頭の中をのぞいてみよう。(構成/ダイヤモンド社・石塚理恵子)

Photo by Takahiro Otsuji
人はなぜ落ち込むのか
俺の「無理せずそこそこでいい」っていうスタンスは、実は小学校から変わっていない。
当時の俺は体が少し弱かったし、運動もいまひとつで、頭だってそこまで飛び抜けてよくはなかったから自分に期待をしていなかった。
だから「できんもんはできん」と、落ち込むこともあまりなかった。
自分に期待しすぎない
自分に過度の期待をすると失敗したときの落ち込みが半端ない。
だったら最初から「できるかできないかわからないけどできたらラッキー」くらいに思っておけばダメージは少ない。
民生少年はそう思っていたと思う。
他人と比べるより自由にチャレンジできる道を選ぶ
それに「他人と同じくらいできないとダメ」と思ってしまうと、チャレンジできなくてしんどくなる。
でも「自分はそこそこでいい」と思っていれば、気軽にチャレンジできるし、うまくいかなくてもそこまでダメージを食らわない。
「できたらラッキー」の言葉を口ぐせにする
この考え方は、見方によっては「ネガティブ」に映るかもしれないけど、「俺はできる」と思って失敗したときの落ち込みを考えたら、「できたらラッキー」くらいに思ってチャレンジする方が、成功したとき「やったぜ!」ってなって喜びが倍増するんじゃないかと思う。
結果にこだわりすぎると
うまくいかない
結果がともなわなくても俺の場合、ぜんぜんダメージは食らわない。
昔もいまもそうだけど、結果なんて俺にとってはどうでもいい。
なのにこの前ゴルフでは「パー5の2打目、残り200ヤード、これなら2オンできる!」っていうところでガツンと打ったら、50ヤードも手前のバンカーにボールが入った。
このときはかなり凹んでしまった。
「えー、嘘」って感じで、落ち込みが半端なかった。
できると思ってできないとダメージを食らう
これは俺が「できる」と踏んで、結果を求めた結果。
人間やれると思ったことができないと、かなりのダメージを食らうのだ。
もし「ダメージ」をくらったら
がんばってチャレンジしたけど失敗してダメージを食らったら、俺の場合はポジティブな友達に頼ることに決めている。
たとえば浜ちゃん(浜崎貴司)は、すごく他人のことを考えてくれるし、サービス精神も旺盛。
すごくボケるしずっこけるから、浜ちゃんの周りにいるとみんな楽しくなって、勇気をもらえる。
だからこれを読んでいる人は、ポジティブになりたいなら俺より浜ちゃんの話を聞いた方がためになるし、友達になるなら俺より先に浜ちゃんと友達になるのがいいかもしれない。
(本稿は奥田民生『59-60 奥田民生の仕事/友達/遊びと金/健康/メンタル』からの抜粋記事です。)