米国の労働市場はここ数カ月、顕著に減速している。医療サービス業の雇用が増えていなければ、就業者数はほぼ横ばいの状態だ。米国の医療サービス業(医療・福祉サービスなど)は好況時も不況時も労働市場を支え、長年にわたり雇用の伸びの原動力となってきた。だが労働市場が総じて軟化する中、雇用の成長持続をけん引する余力はない可能性がある。今後メディケイド(低所得者向け公的医療保険)の予算削減が実施されれば、大幅な減速もあり得る。さらに、医療サービス業は公式データが示しているほど雇用成長の原動力にはなっていない可能性もある。5日に発表された8月の米雇用統計は、労働市場のこれまでの傾向通り、医療サービス業が数少ない明るい材料だった。医療サービス業の雇用が伸びていなかったら、民間部門全体では就業者数が減っていた。
さえない米労働市場、明るい材料は医療部門
メディケイド支出が削減されれば医療サービス業への打撃に
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