昨年12月から続いてきた米ドル高・円安ですが、次第に行き詰まり感が強くなってきました。
米国の利上げ期待を背景に米ドル高が進んできたのですが、日米金利差が本当に拡大しなければ、円売り・米ドル買いがさらに広がるには無理があるという段階に入ってきたのでしょう。
トレンド転換がなければ、
円は「売られ過ぎ」限界圏に
これまでにも指摘しているように、ヘッジファンドなどの売買を反映しているとされるCFTC統計(米商品先物取引委員会)によると、円のネットショート(売り持ち)は、昨年12月末から1万枚を超えてきました(「円もユーロも「売られ過ぎ」の限界か?相場は重大な転換点に差し掛かっている!」を参照)。
今回の円高基調が2007年6月にスタートして以来、円のネットショートが2万枚を超えたことはありません。
その意味では、円安へ基調転換したということでなければ、すでに円は「売られ過ぎ」の限界圏に達しているということになります。
ただし、2007年以前には、円のネットショートが2万枚を大きく超えて、15万枚以上にも拡大したことがありました。今回も同様に、円売りが一段と広がっていく可能性はないのでしょうか?
円のネットショートが2万枚を大きく超え、15万枚すら超えて拡大したのは、2006~2007年のことでした。
当時がどのような環境だったかといえば、日米の政策金利の差、すなわち、米ドルが円よりも優位である度合いが、現在よりも大幅に拡大していた状況でした。
日米の政策金利差ドル優位は、一時は5%以上に拡大していました。それだけ大幅な金利差ドル優位の中で、円売り・米ドル買いが本格的に拡大したというのは、とても納得しやすい話だと思います。
その一方で、日米の政策金利差ドル優位が小幅で、2%未満であるような状況下では、経験的には、円のネットショートが2万枚を大きく超えて拡大し、本格的な米ドル買い・円売りが進むということは難しかったようです。