ロッド・ブレークスタッド氏は当地の採掘現場で、光沢のある岩をつるはしで割った。すると石英が見つかった。この岩に金が含まれている可能性があるというしるしだ。だが、金採掘の経験が豊かなブレークスタッド氏は、その岩を投げ捨てた。同氏が率いる地質学者のチームは、それよりはるかに需要が多くて入手困難なアンチモンを探していた。アンチモンは国防産業で幅広く使われる一般的にはあまり知られていない元素で、現在は激しい米中貿易戦争の中心となっている。「われわれが金を探しているなら、ハイタッチして喜んでいただろう」とブレークスタッド氏は語った。金山で発見されることが多いアンチモンは、最近まで金の採掘者たちからは残余物として扱われていた。