記憶力が劇的に向上するたった1つの方法
【高校にも塾にも通わず、完全独学で東大合格!】――しかも、首席合格とわずか3点差のほぼトップ合格! 『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)の著者は、中学3年生のときに「東大合格」を宣言。高校にも塾にも通わず、完全独学で東大合格を目指したけれど……全国模試は「偏差値45」。そこで、徹底的に「国語」鍛えるという“大逆転の勉強法”を編み出す。勉強の大半を「読書に費やす」という常識外れの戦略で、全科目の成績が軒並みアップ! すべての科目は結局、国語の力がモノをいうことがわかった。コスパとタイパを徹底し、四コマ漫画や恋愛ゲームで楽しみながら学力を高める方法から勉強への合理的なモチベーションの高め方までを徹底指南。超★実践的な成績アップ法を初公開する。
※本稿は、『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
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記憶の「壁」をどう超えるか?
限られた時間内で、「色の名前を覚えなさい」という課題が出されたとします。
色を個別に覚えようとするのは、「下の言い換え(たとえば)」しか使っていないようなもの。覚えられるのが7±2だとすると、早々に限界に達します。
心理学の古典的な論文に、「マジカルナンバー7±2」というものがあります。米ハーバード大学の認知心理学者ジョージ・ミラー氏によるもので、人間が短期的に覚えられる情報の数は「7±2」だというのです。
「まとめる」だけで記憶力は劇的に向上する
しかし、「上の言い換え(まとめていうと・要するに)」を使って、明るく優しい色合いを「パステルカラー」、大地をイメージさせる色合いを「アースカラー」などとまとめて覚えていれば、「マジカルナンバー7±2」を超えて、はるかに多くの色の情報を脳にインプットして記憶できるようになります。
「暗記」ではなく「フォルダ分け」という発想
「マジカルナンバー7±2」は、言い換えれば、私たちの脳の「作業デスク(短期記憶)」の広さです。デスクが狭いのに、そこに100個の書類(情報)をバラバラに置こうとしても、すぐに溢れてしまいます。これが「丸暗記」の限界です。
しかし、「上の言い換え(抽象化)」を使うのは、「フォルダ」を作って書類を整理する行為ともいえます。「パステルカラー」「アースカラー」というフォルダを2つだけデスクに置けば、その中にそれぞれ何十枚の書類(具体的な色)が入っていても、脳は「たった2つの情報」として処理できます。
この「フォルダ分け(=チャンキング)」こそが、脳の処理限界を突破する鍵なのです。
すべての教科で「記憶の引き出し」を作る
このテクニックは、もちろん色の名前だけに留まりません。あなたの学習を劇的に効率化します。
「覚えられない」と嘆く前に、「どうまとめれば覚えられるか?」と考えるクセをつけるだけで、あなたの暗記効率は飛躍的に高まります。
「インプット」と「アウトプット」が同時に鍛えられる
この「上」と「下」の往復運動が優れているのは、インプット(覚えること)とアウトプット(思い出すこと)を同時に鍛えられる点です。
アウトプット(下):まとめたフォルダ(例:パステルカラー)を見て、「たとえば?」と具体例(ピンク、水色…)を引き出す
テストとは、まさしくこの「アウトプット(下の言い換え)」の作業です。「江戸時代の改革者を挙げよ」と問われたら、「江戸時代の改革者(上)」のフォルダから、「吉宗、田沼…(下)」を取り出す必要があります。
日頃からこの往復運動を意識していれば、テストで「覚えたはずなのに思い出せない」という悔しい思いをしなくて済むのです。
「理解する」とは「まとめ直す」こと
結局のところ、「勉強ができる」とは、「情報を的確にまとめ(抽象化)、自在に取り出せる(具体化)こと」に他なりません。
「マジカルナンバー7±2」という脳の制約を嘆くのではなく、それを逆手にとって「賢くまとめる」技術を磨く。これこそが、AI時代の膨大な情報社会を生き抜くための、本質的な「知性」ともいえるでしょう。
※本稿は、『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。







