『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳』(ダイヤモンド社)は、7000人の脳を診察し、3000本以上の論文を読破した脳の専門医が、科学的根拠に基づいて「一生ボケない脳のつくり方」を徹底解説した1冊。【血圧】【食事】【睡眠】【速歩】【呼吸】【お酒】の習慣術で、100歳まで健やかな脳を育てるノウハウを紹介する。
※本稿は、『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳』(ダイヤモンド社)をもとに編集したものです。

【脳の専門医が教える】「血圧上が140」を放置する人に迫る、認知症リスクの危険Photo: Adobe Stock

脳の健康を守るために

最近、「人の名前がすぐに出てこない」「探し物が増えた」と不安に感じることはありませんか? 将来の認知症予防のために脳トレなどを意識し始める方も多いですが、脳の健康を守るために何よりもまず確認していただきたい数値があります。それは毎日の「血圧」です。

「上が140」を放置していませんか?

健康診断などで「血圧が上が140くらいかな」「歳をとれば、まあ多少は高くなるものだよね」と、少し高めの数値を「しかたない」「たいしたことはない」と放置していないでしょうか?

実は、その「ちょっと高め」の血圧こそが、あなたの「脳の寿命」を静かに、しかし確実に縮めているかもしれないのです。脳の健康に最も深刻な影響を与える要因の1つが、日々の血圧にほかなりません。

血管にかかり続ける「見えない圧力」の正体

そもそも「血圧」とは何なのか、いま一度確認しておきましょう。血圧にはご存じの通り「上」と「下」があります。

上の血圧(収縮期血圧): 心臓が「ドクン!」と力強く収縮し、全身に血液を送り出す瞬間の圧力。血管に最も強く圧がかかる状態です。
下の血圧(拡張期血圧): 心臓が広がり、全身から戻ってきた血液を受け止めている瞬間の圧力。血管の圧が最も低くなる状態です。

血圧の単位である「mmHg」は、かつて水銀計で測っていた名残りです。つまり「血圧120mmHg」とは、「水銀を120mm(12cm)押し上げるほどの強い圧力で、常に血管が内側から押されている」ことを意味します。血圧が140であれば、さらに強い力がかかっていることになります。

想像してみてください。その強い圧力が四六時中、休むことなくあなたの血管、そして脳の細い血管にかかり続けているのです。

脳の健康寿命を延ばすためのアクション

常に高い圧力がかかり続けると血管はダメージを受け、脳への血流が悪化して、物忘れなどの認知機能の低下を招きやすくなります。大切な脳を守るためには、毎日の血圧管理が欠かせません。

毎日の「家庭血圧」を記録する: 病院だけでなく、リラックスした自宅での血圧を知ることが重要です。毎日同じ時間(起床後など)に測る習慣をつけ、自分の基準値を知りましょう。
無理のない「減塩」を意識する: 食塩の摂りすぎは血圧上昇の大きな原因です。汁物は具だくさんにしてスープの量を減らしたり、出汁やスパイスの風味を活かしたりして、おいしく減塩を心がけましょう。

「ちょっと高め」を放置せず、今日から血圧を意識した生活を始めることが、10年後、20年後のクリアな脳を守る最強の防具になります。まずはご自身の血圧と丁寧に向き合うことから始めてみませんか?

※本稿は『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳』(ダイヤモンド社)をもとに編集したものです。