算数の文章題で手が止まってしまう子に、「まず線分図を描いてみよう」と声をかける保護者は多いでしょう。しかし、図はただ描けばよいわけではありません。問題文に書かれた情報を整理し、あとから見返したときにも数量の関係がわかるように描くことが大切です。ここでは、安浪京子先生の著書『中学受験 必勝ノート術』の中から、文章題を解くための図の描き方を抜粋・編集して紹介します。

【中学受験】カリスマ家庭教師が指南! 算数の文章題が解ける子・解けない子の決定的な違い安浪京子著『中学受験 必勝ノート術』より

図の書き方、子どもは意外に知らない!

 たとえば、次のような問題があったとします。(冒頭の画像参照)

「兄は2.4km離れた公園に弟を迎えに行きました。兄が家を出てから5分後に、弟は公園を出て家に向かい、10分後に兄と出会いました。兄の歩く速さが分速120mのとき、弟の歩く速さを求めなさい」

 この問題には、兄と弟、家と公園、2.4kmという距離、5分と10分という時間、兄の速さなど、さまざまな情報が含まれています。これらを思いついた順に書き込んでいくと、数字や矢印が入り乱れ、描いた本人にもわかりにくい図になってしまいます。

 具体的な書き方は冒頭の図を見ていただきたいのですが、
「線の上には距離、線の下には時間を書く」など、情報を書き込む場所をあらかじめ決めておきます。
 書く位置が決まっていれば、どこを見れば距離がわかり、どこを見れば時間がわかるのかが一目瞭然です。別の問題でも同じルールで描く習慣をつければ、必要な情報を整理しやすくなります。

 さらに、矢印や印、文字の大きさにも注意が必要です。

出会った地点を示す印や、進む方向を表す矢印を大きく描きすぎると、ほかの線や数字と重なり、かえって図が見にくくなります。反対に、文字や数字が小さすぎると、あとから自分で読み返すことができません。限られたスペースの中で、必要な情報が無理なく収まる大きさを意識することが大切です。

 また、図を描き始める前に、問題全体をどのくらいの大きさで表すかを考える必要があります。ノートの端に小さく描き始めたため、情報を書き足す場所がなくなったり、一部分だけを大きく描きすぎて、全体のバランスが分かりづらくなったりする子もいます。

 もちろん、単位をそろえることも忘れてはいけません。この問題では「2.4km」と「分速120m」が出てくるため、計算するときにはkmとmを同じ単位に直します。単位も数字のそばにきちんと書いておけば、何を表す数字なのかがわからなくなるのを防げます。

 図は、答えを出したあとに添える飾りではありません。問題文に散らばっている条件を、目で見てわかる形に整理するための道具です。

 子どものノートを見るときは、図を描いたかどうかだけでなく、「距離と時間が区別されているか」「文字や印が適切な大きさか」「情報を書き込む余白があるか」「全体のバランスが取れているか」にも注目してみてください。見やすい図を描く習慣が、複雑な文章題を正確に読み解く土台になります。

*本記事は、『中学受験 必勝ノート術』から、抜粋・編集したものです。