株価の急変動を目にしたとき、直感的な「逆張り」で大火傷を負っていませんか? 実は相場のプロは、値動きの表面ではなく、その背後にあるニュースの本質と連動性をシビアに見極めています。市場が情報を完全に咀嚼するまでに生まれる「時間差」こそが、絶好の収益チャンス。根拠なき直感を排し、情報のタイムラグを味方につけて着実に利益を狙う順張り戦略の真髄に迫ります。
※本稿は『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略』(ダイヤモンド社)をベースに編集したものです。

「ニュースを見てから買う」でなぜ勝てる? 株のプロが実践する『タイムラグ投資術』Photo: Adobe Stock

ニュースの性質と株価の「連動性」を確かめる

株式投資の世界では、株価が急騰あるいは急落した際、「安くなったから買い(逆張り)」「高くなりすぎたから売り」と直感的に動いてしまいがちです。しかし、相場の表面的な値動きだけで判断することは、プロの世界では自殺行為に等しいとされています。

勝率を安定させるためにまず行うべきは、その変動を引き起こした「ニュース」の性質を見極めることです。株価が大きく動いたとき、投資家が最初に取るべき実践的なステップは非常にシンプルです。

株価の動きが気になったときは、まず株価変動の原因となるニュースが好材料なのか悪材料なのかを見極めましょう。さらに、そのニュースの性質と株価の動きが一致しているかどうかを確認します。
――『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略」』より

例えば、画期的な新製品の発表という「好材料」が出て、実際に株価が上昇しているならば、その動きはニュースの性質と一致しています。この「事実と値動きのパズルのピースが綺麗に噛み合っているか」を確かめることが、投資の前提条件となります。

「逆張り」の誘惑を断ち切り、流れに逆らわない

ニュースと株価の動きが一致していることを確認できたら、次に取るべき行動は「トレンドに従うこと」です。

もし一致していたなら、逆張り(反対方向への投資)の誘惑に惑わされず、同じ方向への投資を検討するべきです。つまり、よいニュースがあれば株価は上がっていき、悪いニュースがあれば株価は下がっていく、という予測にしたがって動くことで勝率を上げられることが多いです。
――『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略」』より

個人投資家は「これだけ上がったのだから、そろそろ下がるだろう」と、根拠のない逆張りを仕掛けて大火傷を負うことが珍しくありません。しかし、本質的なニュースに裏打ちされた上昇や下落は、一時的な値動きにとどまらず、強いトレンドを形成します

良いニュースには買い(順張り)で臨み、悪いニュースには売り(または静観・空売り)で応じるという、基本に忠実な行動が利益への近道なのです。

市場の「時間差」を利益に変えるノウハウ

なぜ、ニュースの後追いで投資をしても十分に間に合い、勝率を上げることができるのでしょうか? そこには株式市場が持つ「歪み」が関係しています。

市場は新たなニュースを織り込むときに、瞬時ではなく時間を要する(市場に非効率性が残っている)ため、ニュースの方向を追いかけることによって儲ける機会に結びつくことがあるのです。
――『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略」』より

インターネット社会となった現代でも、市場が新しい情報を完全に咀嚼し、適正な株価を反映するまでには一定の時間差(タイムラグ)が生じます。この市場の「非効率性」が、個人投資家にとっての絶好の収益チャンスとなります。

株価が動いた背景にあるニュースを冷静に分析し、そのトレンドの方向へ素直に乗る。この「情報のタイムラグを味方につける視点」を持つことが、激しい相場環境を生き抜き、着実に資産を増やすための強力なノウハウと言えるでしょう。