ビジネス書なのに、小学生や中学生が夢中になって読んでいる本があります。それが、野村裕之著『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』です。論理的思考問題とは、知識や難しい計算は不要で、「考える力」さえあれば解ける問題のこと。Google、Apple、Microsoftといった超一流企業の採用試験や、小学校・中学校の受験問題としても出題されています。本稿では、同書から1問を紹介します。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)

考えるだけで「頭がよくなる問題」イラスト:ハザマチヒロ

考えるだけで「頭がよくなる問題」

「我が子には、頭がよくなってもらいたい」

そう願っている人もいるのではないでしょうか。

そんな人におすすめしたいのが、論理的思考問題です。

知識や難しい計算は必要とせず、問題文を読んでじっくり考えれば、誰でも答えを出せる。
まさに「考える力」だけが問われる問題です。

そのため、Google、Apple、Microsoftといった超一流企業の採用試験や、小学校や中学校の受験問題としても出題されています。

たとえ解けなくても、考えることで、そして解答を知ることで、頭のなかに「思考の回路」ができていきます。

事実を抽象化して考えられるか?

論理的思考問題とは、たとえばこんな問題です。

50%の帽子

A,Bが帽子をかぶらされ、向かい合って座っている。
自分の帽子は見えないが、相手の帽子は見える。
しかしお互いにコミュニケーションはとれない。

帽子の色は赤か青。
2人とも赤、2人とも青、というパターンもありえる。

2人は同時に「自分の帽子の色」を宣言して、2人のうち少なくとも1人が正解しなければならない。
2人は帽子をかぶらされる前に相談ができる。
どのような戦略をとればいいだろうか?

問題「50%の帽子」画像
――『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』より(イラスト:ハザマチヒロ)

この問題の「最大のポイント」

帽子問題は、論理的思考では定番のテーマです。

ポイントは、自分には見えない情報を、相手に見えている情報から推理することにあります。

もし会話ができるなら、この問題はすぐに解決します。

しかし今回は、お互いに相談できるのは帽子をかぶる前だけ。

そのため、事前にどんな作戦を立てるかが勝負になります。

そして、この問題で見落としてはいけない条件が、「2人とも正解する必要はない」という点です。

少なくとも1人が正解すれば成功なのです。

頭のいい人が「まず考える」こと

まずは、帽子の組み合わせを考えてみましょう。

可能性は、

・赤、赤
・赤、青
・青、青

の3通りです。

本来なら、それぞれに応じた答えを用意できれば理想ですが、2人しかいないので3通りすべてを担当することはできません。

そこで考えたいのが、もっと少ないパターンにまとめられないかということです。

すると、この3通りは、

・2人とも同じ色
・2人は違う色

という2種類に整理できます。

こうして、考えるべきパターンを2つまで減らすことができました。

あとは、役割を分担するだけ

パターンが2つになれば、あとは役割を分担するだけです。

1人は「帽子が同じ色だった場合に正解となる回答」を担当し、もう1人は「帽子が違う色だった場合に正解となる回答」を担当します。

具体的にどのような回答かというと、

・Aは、相手の帽子と「同じ色」を答える
・Bは、相手の帽子と「違う色」を答える

という約束をしておきます。

実際に確かめてみましょう。

たとえばAが赤、Bが青だった場合、Aは「青」と答えます。
これは間違いです。

一方、BはAと違う色、つまり「青」と答えます。
こちらは正解になります。

では、2人とも赤だった場合はどうでしょう。

Aは相手と同じ色なので「赤」と答えます。
これは正解です。

一方、Bは相手と違う色なので「青」と答えます。
こちらは不正解です。

どちらの場合でも、必ず2人のうち1人は正解することがわかります。

正解

1人は相手の帽子と「同じ色」を答える。
もう1人は相手の帽子と「違う色」を答える。

まとめ

3通りに見えた組み合わせを、「同じ色」と「違う色」という2つのパターンへ整理できるかどうかがポイントでした。

複雑に見える問題でも、一段高い視点から眺めると、考えるべきケースは意外なほど少なくなることがあります。

論理的思考では、「細かい違い」に目を向けるだけでなく、「共通点」に注目して問題を整理することも重要です。

複雑な問題ほど、「まとめられるものはないか」と考えてみると、解決への道筋が見えてくるでしょう。