悩まない人の「頭の中」では何が起こっているのか?
いま英語、ドイツ語、ロシア語、スペイン語、カタルーニャ語、オランダ語、イタリア語など世界中から翻訳オファーが殺到している木下勝寿氏の『「悩まない人」の考え方――1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30』から、「仕事が苦にならない人の思考法」をライター柴田賢三氏がレポートする。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)

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AIを使うと「仕事をサボる」感覚に

 最近、広報のお仕事をいただいた企業から「可能なかぎりAIを使ってください」と言われた。

 昭和生まれの人間の感覚だと、「AIを使うと仕事をサボっている」と判断されそうで、これまでは調べ事ぐらいにしか使っていなかったので驚いた。

 理由を聞くと、「プロのライターさんのノウハウをAIに覚えさせてほしいから」と返された。ってことは、しばらく仕事をしていると、ある日突然切られるんじゃないか……。

 そんな不安を抱きつつ、クライアントの強い要望だから断れない。しかも、AIに指示を出して成果物を作成することに慣れていないので、最初はおっかなびっくりだった。

AIとの仕事が楽しくなってきた

 ところが、実際にAIを使ってプレスリリースやスライドを作成してみると、まあ優秀だ。依頼された企業のデータを把握しているだけでなく、社会課題や法令なども理解しているようで、あっという間にプロレベルの資料を作成してくれる。

 ただ、彼ら(AI)の仕事は完璧すぎて、人間味のない文章になったり、読みづらい表現なども使ってくる。そこを一つひとつ注意して改善させていくと、次からはさらにクオリティの高いものを出してくる。

 ミスをして注意すると、謝罪の文章も完璧だ。あまりに丁寧すぎて、逆に腹が立つこともあるが、AIとのやり取りを深めていくと、徐々に面白くなってきた。

「仕事をゲーム化できる人」のすごさ

「北の達人コーポレーション」の社長・木下勝寿氏の著書『悩まない人の考え方――1日1つインストールする一生悩まないスキル30』の中に、こんな一文がある。

 仕事が面白く感じられるためには、「面白い仕事との出合い」より、「仕事を面白くするスキル」が必要である。
――『悩まない人の考え方』より

 木下氏は、「レジ打ち」という単調な仕事が「いちばん面白い」と言う女性のケースを紹介し、「仕事をゲーム化できる人」のすごさを紐解いているが、私の場合もAIと仕事をするうちにゲーム感覚になっていることに気づいた。

 後輩に仕事を教える感覚にも近いが、人間は同じ過ちもおかすもの。「この前、ここ注意したじゃん」「あ、すみません!」みたいなやり取りを懐かしく思い出していたが、優秀なAIはこれがない。

 一度、注意すると次からは間違わないので、人間の後輩を育てるような時間はかからない。……待てよ。ってことは、やっぱり彼ら(AI)に仕事を奪われるのは間違いなさそうだ。