悩まない人の「頭の中」では何が起こっているのか?
いま英語、ドイツ語、ロシア語、スペイン語、オランダ語、イタリア語など世界中から翻訳オファーが殺到している木下勝寿氏の『「悩まない人」の考え方――1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30』から、「些細なことで腹が立たない人の思考法」をライター柴田賢三氏がレポートする。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)

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通販サイトから届いた「ヒドイ商品」

 先日、某大手通販サイトのセールでスポーツタオルを3枚購入。いつも着ている作業着ブランドのワークシャツも色あせていたので複数枚まとめて注文し、届いた商品を見て驚いた。

 タオルは箱入りの商品だったが、届いたものは全部、箱がつぶれてフタも開いていた。
 シャツも、いつもは型紙つきでピシッと折りたたまれて、襟なども保護されているものが、わざわざ一度開封して雑にたたんでビニール袋に入れ、セロハンテープでとめたようなものが届いたのだ。

 中身を確認すると、すべて新品であることは間違いなさそうだが、シャツは襟に折り目がついているし、直接、肌に触れるタオルも“開封済”のようなものは気持ちが悪い。

 クレームを入れて交換してもらおうと思ったが、スポーツタオルは「残り3枚」を買い占めていたので返品になる可能性が高い。しかも、そのデザインは廃盤で、他のショップにも見当たらないので、返品したら二度と手に入らないだろう。

 そもそも私は極端な小心者で、わざわざ通販会社に電話をしてクレームを入れること自体に抵抗がある。悩んでいるうちに、「返品・交換期限」が近づいてきた。

映画館で遭遇した失礼なカップル

「北の達人コーポレーション」の社長・木下勝寿氏の著書『悩まない人の考え方――1日1つインストールする一生悩まないスキル30』の中に、こんなエピソードがある。

 木下氏が映画館で隣に座った若いカップルにコーヒーをこぼされ、注意しても謝罪すらない。高級なダウンジャケットを汚されたが、結果として木下氏は2人にクリーニング代などを請求することなく、映画を楽しんで帰宅したという。

「失礼な若者に飲み物をこぼされ、おまけに謝罪も補償も得られない」という出来事は変えられない。私だけがその出来事を「感情化」して苛立っている。(中略)だとすると、この状況を「腹立たしい出来事」として受け取るのをやめたほうが手っ取り早い。
――『悩まない人の考え方』より

悩みを生み出すのは常に「自分自身」

 木下氏は、謝罪をしなかった若者は「薄暗い映画館で、どれほどダウンジャケットを汚したかわからなかったのかもしれない」とか、「20歳そこそこに見える相手は未熟で、きちんと頭を下げられないのも仕方ない」などと捉え、小さな子どもやペットに服を汚されたようなものだと割り切り、映画を楽しんで黙って帰宅したというのだ。

 その上で、こう結論づけている。
 悩みは「他者や世の中」からは生まれない。
 悩みを生み出すのは常に「自分自身」。
 悩まないためには、自分の考え方を変えればいい。

 私は、この一文を読んで、通販会社に電話をするのをやめた。
 商品がいずれも新品であることは間違いなく、タオルは洗濯すればいいし、シャツも洗って伸ばして干せば問題ない。
 わざわざ電話でオペレーターと苦手なやり取りをして返送作業までするより、そのまま使って問題ないと考え直したのだ。

 これでまた一歩、「悩まない人」に近づけた気がした。