米国債売りがようやく一服、その理由とは?Photo:Anadolu/gettyimages

 売りが続いていた米国債市場に、ようやく明るい材料が出てきた。

 最近の売りを増幅させた要因とされる市場の「ゆがみ」が勢いを失いつつあり、米国債利回りの上昇も失速するとの期待が広がっているのだ。

 ここ数週間に米国債利回りが急上昇したことで、他の市場にゆがみが生じ、住宅ローン担保証券(MBS)と米国債先物という二つの人気商品の残存期間が長くなっている。債務証券の残存期間が長くなるほど、投資家は金利変動の影響を受けやすくなる。

 投資家はこれに対応する形で、10年債や30年債といった長期米国債の売りにつながる動きを取った。これにより悪循環が始まった。しかし、このサイクルがどこまで進むかにはテクニカルな限界もあり、投資家やアナリストは現在、減速の兆しを見て取っている。

 ロード・アベットの債券ポートフォリオマネジャー、リア・トラウブ氏は「こうしたテクニカル要因やこれまでの値動きの速さを考えると、(売り局面は)終盤に近づいていると思う」とし、今後の利回りの方向性は、原油価格の変動など「ファンダメンタルズ(基礎的諸条件)要因」により左右されるようになると述べた。

 投資家は特に、MBS市場からの圧力について楽観的な見方を強めている。

 金利上昇により住宅所有者の借り換え需要は冷え込んだ。これに伴い、MBSの裏付けとなる住宅ローンの想定平均残存期間は長期化してきた。しかしアナリストらによると、こうした長期化はすでに、ほぼ限界まで達している。