世界的な国債売り、混迷深まるPhoto:Louise Delmotte/gettyimages

 数カ月にわたって続く世界的な国債売りが、いよいよ混迷を深めている。

 ここ数週間、先進国の国債市場の大半はおおむね連動していたが、10月1日はそうではなかった。比較的安全とされる債券への逃避需要を背景に米国債利回りが低下(価格は上昇)する一方、フランス、イタリア、ギリシャの国債利回りは急上昇した。突如対照的な動きとなったのは、欧州を中心とする人気のヘッジファンド取引の巻き戻しが一因だと、債券アナリストやトレーダーは指摘する。

 この動きは、前日に米10年債利回りが24年ぶりの高水準に達し、経済全体で借り入れコストの上昇が見込まれていた米国にとっては、一息付けるような展開だった。

 だが同時に、長期化する債券売りがいかに予期せぬ問題を引き起こし得るかを改めて示すものともなった。

「市場には、危機が醸成されつつある気配がかすかに漂っている」と、コロンビア・スレッドニードルのポートフォリオマネジャーを務めるエド・アルフサイニー氏は述べた。

 この日の値動きは、今年に入ってからの債券安の複雑な側面を浮き彫りにした。先進国全体の利回りは3月以降、「イラン紛争に伴うエネルギー価格の上昇を受け、各国中央銀行がインフレ抑制のため積極的な対応を余儀なくされる」との懸念から押し上げられてきた。

 このところ好調な米経済指標が相次ぎ、世界的な(利回り上昇)圧力に拍車をかけている。米景気を冷ますためには、米国の金利をはるかに高い水準まで引き上げざるを得ない可能性がある。