旅行業界脅かすAIエージェント、それでもエアビーに勝機Photo:Bloomberg/gettyimages

「ミューズ」のようなAIエージェントは、パリで一番安いホテルを見つけることができる。だが、あなたが目をつけていたニューヨーク・キャッツキルズのコテージについては、もっと安い似たような宿を探し出せないかもしれない。なぜなら、その物件は民泊仲介大手 エアビーアンドビー でしか予約できない可能性があるからだ。

 投資家にとって、それは重要な意味を持つ。 メタ・プラットフォームズ が先月、個人向けAIエージェント「ミューズ」を発表した際、 ブッキング・ホールディングス 、 エクスペディア 、エアビーアンドビーなど旅行関連株は軒並み急落した。

 それでも、エアビーはこの混乱の中で勝者となる可能性が十分にある。問題は、同社の株価はすでに業界平均を上回る成長を織り込んでいることだ。その高いバリュエーションを正当化するには、エアビーはリピート客を忠実な顧客に変える必要がある。

 オンライン旅行会社は、検索を簡素化し、予約手数料を取ることで収益の多くを稼いでいる。AIエージェントはそのビジネスモデルを脅かしかねない。

 しかし、全ての予約サイトが均等にリスクにさらされているわけではない。ブッキングとエクスペディアが販売しているのは主に、顧客がホテルなどの公式サイトで直接予約したり、他の競合サイトでも予約したりできる部屋だ。AIエージェントが他で同じ部屋を見つけられるようになれば、ブッキングやエクスペディアを好んで利用する理由はほとんどなくなる。

 ブッキングとエクスペディアは、特定の宿泊施設に旅行者を誘導するスポンサー付き掲載も手掛けている。米大手銀ウェルズ・ファーゴの推定によると、来年はこうした手法がエクスペディアの売上高の約8%を占め、利益に占める割合はそれ以上に高くなる見通しだ。