【オピニオン】ロシア・イラン、そしてトランプ氏の「衝撃と畏怖」外交Photo:Andrew Harnik/gettyimages

 ホワイトハウスで6年近く、米政界の中心で10年以上を過ごしてきたドナルド・トランプ大統領は、今なお世界に衝撃を与えることができる。同氏はこの1週間だけでも、米中間選挙後のイランへの新たな攻撃を示唆したり、米当局者が武器供与停止の可能性を欧州に警告する中で、米国がロシアからディーゼル燃料を購入すると表明したり、ウクライナ政府に不意打ちを食らわせたように見える「エネルギー停戦」を発表したり、イエメンの親イラン武装組織フーシ派に対する攻撃再開を公に示唆したり、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領に退陣を求めたりした。

 トランプ氏による今回の一連の外交活動は、イランとロシア、エネルギーの重要性、そして欧州の重要性の低さについての同氏の強い信念を反映している。トランプ氏は1980年代からイランを米国にとっての脅威と見なしており、イランの核兵器保有や同国によるペルシャ湾のエネルギー資源支配が米国の国益を脅かすと考えている。さらに、化石燃料が地政学的・経済的な力の重要な要素であり続けると信じており、米国が湾岸地域で支配的な役割を果たすことを望んでいる。

 また、トランプ氏は、ロシアが中国の下位パートナーにならないようにし、スンニ派イスラム武装組織に対抗し、主要エネルギー生産国としての役割を維持するという点で、米国とロシアには利害が重なる部分があると考えている。トランプ氏とロシアのウラジーミル・プーチン大統領はまた、現代の欧州リベラル派が「文明的自殺」を受け入れているとの考えで一致しており、これに軽蔑の念を抱いている。こうした視点に立てば、ウクライナの民族主義的な野心や、それを支持する欧州リベラル派の愚痴といったささいな問題によって、米ロ関係が分断されるようなことがあってはならないのだ。