『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』は、小学生向けの本でありながら、多くのシニア層にも読まれました。著者自身、これほど幅広い世代に読まれるとは予想していなかったといいます。なぜシニア層にも広く読まれたのでしょうか。同書の著者で、11月発売の『小学生がたった1日で19×19まであそびながら暗算できるカードゲーム』を考案した小杉拓也氏が解説します。

「小学生向けの暗算本」購入者の3割が60歳以上だった理由とは?Photo: Adobe Stock

「19×19までの暗算法」のおさらい

さっそくですが、19×19までの暗算ができる「おみやげ算」の計算法について説明します。

(例)16×12=

①16×12の右の「12の一の位の2」をおみやげとして、左の16に渡します。すると、16×12を、(16+2)×(12-2)=18×10(=180)と考えることができます。

②その180に、「16の一の位の6」と「おみやげの2」をかけた12をたした192が答えです。
まとめると、16×12=(16+2)×(12-2)+6×2=180+12=192です。

この2ステップで、例えば、11×15、17×14、19×19などの「十の位が1の2ケタの数どうしのかけ算」は、おみやげ算を使ってすべて計算でき、慣れると5秒程度で暗算もできるようになります。

シニア層の購入者は「1割くらい」と予想していた

この本を制作する前から、小学生だけでなく、「頭の体操をしたい」「脳トレをしたい」というシニア層にも読んでもらえる可能性は考えていました。

ただ、個人的には「シニア層の購入者は1割くらいかな」と思っていました。ところが、実際に販売されてから、購入者の3割以上がシニア層だというデータが出て驚きました。

想定していた以上に、シニア層にも「頭を使いたい」「楽しみながら計算したい」という需要があったのかもしれません。

おみやげ算は、学校のテストのためだけに使うものではありません。「16×12はいくつだろう」「17×18ならどうなるだろう」と、自分で答えを出していくこと自体を、頭の体操として楽しむこともできます。

また、本書には、もともと親御さんに読んでもらうことを想定したコラムも掲載していました。こうした読み物が、結果としてシニア層の知的好奇心や、暗算に取り組む意欲を刺激した可能性もあります。

小学生を主な読者としてつくった本でも、内容によっては、別の世代にも楽しんでもらえる。今回の経験から、そのことを強く感じました。

おじいちゃん、おばあちゃんと孫が一緒に楽しむ

想像ですが、おじいちゃん、おばあちゃんが自分の頭の体操として本を楽しむだけでなく、孫へのプレゼントとして購入したケースもあったのではないかと思います。

さらに、おじいちゃん、おばあちゃんと孫が、「16×12はどっちが先に答えられる?」などと、一緒に暗算を楽しむことができます。

学習カード『小学生がたった1日で19×19まであそびながら暗算できるカードゲーム』も、子どもだけで遊ぶ必要はありません。子ども、親、祖父母の三世代でカードを囲み、一緒にゲーム感覚で暗算を学ぶこともできます。