完璧を求めすぎて仕事を終えられない。やらなければいけないことを先延ばししてしまう。そんなときの対処法を、『おい、とりあえず終わらせろ』の著者、nwiizo(ぬうぃぞう)氏が伝えます。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

おい、とりあえず終わらせろだらだらPhoto: Adobe Stock

やる気ではなく「始める前の手間」が問題

 席には座っている。画面も開いている。

 けれど、気づけば関係のない記事を読み、SNSを眺め、時間だけが過ぎている。

「だらだらしてしまうのは、自分の集中力が足りないからだ」と、責めてしまう。

 そんな日が続いて、「このままではいけない」と思っているのではないでしょうか。

 でも、だらだらしてしまうのは、意志が弱いからではなく、始める前の「手間」が大きすぎるからかもしれません。

 そこで、始めたい行動の手間を減らし、避けたい行動の手間を増やすのです。

 行動するまでの手間が少ないほど、人は動きやすくなります。

 手間は、「やりたくない」気持ちとは別物。やりたい気持ちがあっても、手順が多ければ、着手は遅れます。逆に、やる気がなくても、動線が短ければ、指が動いてしまいます。

 怖いのは、手間そのものではありません。手間の途中に生まれる「判断の隙間」です。それが、注意を別の方向に逸らします。

 始めたい行動なら、デスクを片付ける、必要なファイルだけを開く、今日の1タスクを目の前に置く。

 避けたい行動なら、スマートフォンを引き出しにしまう、通知をオフにする、アプリをログアウトする。

 触るのが面倒になれば、無意識の誘惑は消えていくはずです。

手順が多いと習慣が消える

 私は、仕事とは別に、ブログを書き続けています。

 それができるのは、意志が強いからではまったくありません。エディタ(文章を書くソフト)を開けば、すぐに書ける環境が手元にあるからです。

 以前使っていたブログサービスでは、ログインして管理画面を開き、新規投稿を選んで、カテゴリを設定して、ようやく書き始められました。

 このようにステップが5つある重さで、3日目にはもう開かなくなっていました。

「今日は書くぞ」と決めた日も、4つ目のカテゴリ設定で「どれにしよう」と迷い、そのままブラウザの別のタブに逸れていたのです。

「毎日30分」ではなく、「開くだけ」を目標にする

 環境を整えてもまだ重いなら、次に見るのはタスクの大きさです。

「全体」に向き合うとき、私たちは完成形と今の自分を比べています。差が大きいほど、最初の一歩は重くなります。

「ファイルをひとつ開く」なら、完成形との比較が生じません。失敗しようがないほど小さい一歩から始めると、動き出しに、精神の許可が要らなくなります。

 以前、私は「毎日30分、技術書を書き写す」という目標を立てて、数日で挫折しました。

 水曜日、疲れて「今日は15分でいいか」と思いました。でも、15分では「目標未達」です。木曜日には「昨日の分と合わせて1時間やらなきゃ」と思い、金曜日には「週末にまとめて」と言い訳し、週末には「また来週から」と言っていました。

「30分」という数字が、やらない日を作っていたのです。

 今は、「エディタを開くだけ」を目標にしています。ファイルの一覧を眺めて、閉じても構いません。

 でも、開いたらだいたい何か書いてしまいます。コメント1行で止まる日もあれば、1時間書く日もある。どちらでも「目標達成」です。

 だから、全部を整えなくて大丈夫。

 今の着手をいちばん邪魔しているものを、ひとつだけ消す。そして、今日の目標を、「ファイルをひとつ開く」にしてみる。

 着手さえすれば、慣性が働いてくれます。

 工夫すべきは「続ける意志」ではなく、「始められる環境」なのです。