完璧を求めすぎて仕事を終えられない。やらなければいけないことを先延ばししてしまう。そんなときの対処法を、『おい、とりあえず終わらせろ』の著者、nwiizo(ぬうぃぞう)氏が伝えます。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

おい、とりあえずおわらせろ要領Photo: Adobe Stock

「要領が悪いからダメだ」と決めつけない

 抜け漏れがないように。反論されても困らないように。念のため、これも調べておこう。

 頼まれた資料を作っているうちに、確認したいことが次々に浮かんでくる。

 ひとつ調べると、また別のことが気になる。「どうして、こんなに時間がかかるのだろう」と悩む。

 ですが、それだけで「自分は要領が悪い」と決めつけるのは、早いかもしれません。

 抜け漏れが気になるのは、見落とされそうな点に気づけるから。反論に備えたくなるのは、相手が抱く疑問を先回りして考えられるからです。

 そうした慎重さや想像力は確実に、仕事で役立つ力です。

 ただ、気づいたことをすべて「今回やること」に加えてしまうと、仕事の終わりが遠のいていきます。

 必要なのは、丁寧さを捨てることではありません。その丁寧さを、どこに使うか決めることです。

労力を効率よく使うコツ

 傍から見ると、何でもそつなくこなしているように見える人もいるでしょう。

 でも、よく観察すると、同時に全部をやっているわけではありません。時期を分けたり、人に任せたりして、優先順位をつけています。

「これだけは今回終わらせる」と決めているから、次へ進めるのです。

 私にも、それができずに仕事を抱え込んだ経験があります。

 上司から「5ページの資料を作れ」と言われたとき、私は「5ページの完璧な資料を作らなければ」と解釈してしまいました。

 あらゆる可能性を網羅し、あらゆる反論に備えようとした。そうしたら、終わらなくなりました。

「対応すること」と「対応しないこと」の境界線が、決まっていなかったのです。私は、この範囲を「スコープ」と呼んでいます。

 さらに私は、「5ページの資料を作ること」が、解決すべき問題だと思っていました。

 でも、本当の問題は「上司が予算を判断するための材料がないこと」でした。

 実際に、上司に聞いたところ、この資料に必要なのは「最大の要因」と「打ち手の方向性」の2点だけだとわかったのです。

 それがわかれば、調べる範囲も、説明すべきことも絞れます。丁寧に考える労力を、相手の判断に必要な部分へ効率的に向けられるようになるのです。

「気づいたこと」と「今やること」を分ける

 だからおすすめなのは、仕事を始める前に5分だけ立ち止まること。

「これは、誰の、どんな問題を解く仕事なのか」

 そう問い直すと、今回必要なものと、後でいいものが見えてきます。

 全員の疑問に一度で答えようとすると、資料はどこまでも膨らみます。まずは、今回判断する相手に必要なものを揃える。そのうえで、どこまでできれば一度見せられるかを確認するのです。

「今回はこの2点をまとめます。ほかの項目は、必要になった段階で追加する進め方でよいでしょうか」

 こんなふうに、やることと、今はやらないことを言葉にしてみる。範囲を絞るのは、相手の期待に確実に応えるためです。

 気づけることが多い人ほど、丁寧な仕事ができます。

 だからこそ、「気づいたこと」と「今やること」を分ける。そうすれば、慎重さを強みに変えられるのです。