完璧を求めすぎて仕事を終えられない。やらなければいけないことを先延ばししてしまう。そんなときの対処法を、『おい、とりあえず終わらせろ』の著者、nwiizo(ぬうぃぞう)氏が伝えます。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

おい、とりあえず終わらせろやめ時Photo: Adobe Stock

 気づけば、また作り込んでいる。

 図表の位置を直し、言葉を言い換え、念のため参考資料も足しておく。

 どれも、悪いことではない。けれど、どこでやめていいのかわからない。

「ここまでやれば十分」と誰かに言ってもらえたら、どれだけラクだろう。

 そんなふうに思ったことはないでしょうか。

 実は、「やめ時」は、勘や気合いではなく、考え方で決められます。

「どこで止めるか」を明確にする

「良い感じになったら終わろう」。そう思っても、肝心の「良い感じ」とは何かはわからないものです。

 なぜなら、見る人によって感じ方は違うからです。自分の感じ方も、日によって変わります。

 そして、測れないゴールは終わりません。

 だから、終わりを測れる形に書き換えます。

「今日中に、10ページのスライドを、部長が理解できる粒度で作る」。

 期日、分量、品質。この3つを決めると、「どこまでやるか」ではなく、「どこで止めるか」になります。

 この3つは、矛盾することもあるでしょう。期日を守れば品質が下がり、品質を上げれば期日が延びる。

 そんなときは、全部を満たす方法を探さず、「今回は期日を優先し、品質は次のサイクルで上げる」と宣言してしまうのがおすすめです。

ゴールは近い未来に置く

 私にも、身に覚えがあります。

「来月までに設計資料を整備する」と宣言した瞬間、安心しました。

 締め切りは来月だから、今日は調査から始めればいい。調査なら失敗しない。アウトプットしなくていいからです。

 すると、頭の中で、理想だけが育ちます。「完璧な成果物」のイメージだけが膨らんで、具体的に何をすればいいのか、わからないまま時間が過ぎていきました。

 だから今は、終わりを決めるとき、「今日中に達成できるだろうか?」と自分に問いかけます。

 無理なら、もっと近い未来に引き寄せる。「今日は1ページ分の骨子だけを書く」なら、手が動き出します。

 今日中なら、動けます。動ける単位まで縮めるのがコツです。

基準は「相手が次に動けるか」

 最初に決めた終了条件が、必ずしも正解である必要はありません。

 実際に書き始めたら、3ページ目で「これ、部長ではなく、経営会議に直接出す流れになった」とわかるかもしれません。

 でも、それでいい。仮説を持っていたから、3ページ目でズレに気づけたのです。仮説がなければ、10ページまで仕上げて、会議当日にひっくり返されていたでしょう。

 仮説は、最初から正解を出すためではなく、進めながら「あ、違ったな」と早く気づくために立てます。

 間違っていいという前提で決めると、決めること自体が、怖くなくなります。

 では、何を基準にやめるのか。

 何度か出して、怒られたり、意外と通ったりする中で、私がたどり着いた基準は、「相手が次に動けるかどうか」でした。

 意図が伝わり、対話ができ、相手が判断できる。それが、やめ時の最低ラインです。

 だから、相手に聞いてみてください。

「この資料は、誰が読んで、何を判断できる状態ですか?」「何が入っていればレビューできますか?」「逆に、何を今回は捨てていいですか?」

 この問いを投げることで、やめ時の輪郭が、自分と相手のあいだに立ち上がってきます。

 あなたの「やめ時」はきっと、思っているより手前にあるはずです。