管理費を見直せば、戸数や築年数に関係なく、2~3割下がることは珍しいことではない。ダイヤモンドQ編集部がその極意を伝授しよう。

  管理費見直しの際、気をつけたいのは、管理会社のタイプの違いだ。

 デベロッパー系(新築マンションを分譲している不動産会社の子会社など)は、親会社が分譲するマンションの管理を受託するケースが多い。大手で知名度が高いため、管理組合にとっては安心感がある。特に問題がなければ、分譲当初からずっと同じというケースが多い。

 独立系はこうした系列に属さないところで通常、マンション管理を専業としている。ほかの管理会社が受託しているマンションからの切り替え(リプレイス)が契約の中心であり、基本的にコスト(価格)で勝負する傾向がある。

 いわば、ブランド力のデベロッパー系、価格の独立系という図式だが、最近はAマンションのようにコストに敏感なマンションが増え、単に売り主と同じブランドだから、というだけでは管理組合を納得させられなくなってきている。むしろ、何らかの不手際やトラブルをきっかけに関係がこじれてしまい、攻める独立系、守るデベロッパー系の構図となりやすい。

 実は、デベロッパー系の大手管理会社の中にも、親会社の分譲するマンションを管理するだけでなく、他社の管理物件をリプレイスで受託するケースが増えている。

 その場合、数社の競合になるため、どうしても価格はシビアにならざるを得ない。結果的に、親会社が分譲する物件を受託する場合と、リプレイスで受託する場合で、同じ業務でも価格に差が生じる。

 また、自社のホームページやパンフレットに掲載しているような看板マンションであれば、他社にリプレイスされるのを阻止するため、思い切った価格を提示することもある。

 業界ではいまや、同じ管理会社であっても二重価格、三重価格が珍しくなくなっているという。

 従って、管理費の見直しは1回だけで十分とは限らない。2回目の交渉に乗り出すマンションも最近は増えている。

 もちろん、安ければ安いほどいいということではないが、これまで一度も見直したことがなかったり、管理費や修繕積立金の値上げに迫られていたりするなら、現状の金額が妥当かどうか、検討してみることをダイヤモンドQ編集部はおすすめする。下表のように、戸数や築年数に関係役コストダウンは可能だ。意外な安値を引き出せるかもしれない。