創続総合研究所
節税20年の計
【第4回】 2015年4月17日
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北山雅一 [キャピタル・アセット・プランニング代表取締役社長]

相続節税の王道「生命保険の非課税枠の活用」
【働き盛り世代の余裕資金を作る法】

日本の相続の98%は保険で解決する

 では、無理のない対策とはどのようなものなのでしょうか。

第1回で紹介した暦年贈与と並んで王道ともいえるのが生命保険を活用した対策です。

 例えば、一時払終身保険に関しては、受け取る保険金や解約返戻金が運用次第で増減する変額保険などを除けば、基本的には元本を割り込むおそれがありません。しかも、直前でも前もってでも時期を選ばず契約できるのが利点です。

 被相続人の死亡によって取得した保険金や死亡退職金には、「3000万円+600万円×法定相続人の数」で計算される通常の基礎控除とは別に、「500万円×法定相続人の数」の非課税限度額が適用されます。例えば、法定相続人が4人いる場合、2000万円までの死亡保険金には相続税が一切かかりません。

 この非課税枠を上手に活用すれば、ほとんどの人は相続税の悩みから完全に解放されます。

 夫婦と子ども2人のケースを考えてみましょう。遺産の総額(評価額)は2億円とします。

〈1〉一次相続
 夫(父親)が亡くなりました。法定相続分通りに相続した場合、納付する税額の合計は1350万円になります(下図のA)。しかし、生命保険の非課税枠1500万円(500万円×3人)いっぱいの保険に加入していれば、納付税額は1162万円になり、納税原資とすることも可能です(下図のB)

〈2〉二次相続
 次に、妻(母親)が亡くなりました。遺産が夫から相続した分だけだとすれば課税価格は1億円。法定相続人である子ども2人が納付する税額の合計は770万円になります(下図のA)。ここでも生命保険の非課税枠1000万円(500万円×2人)をフルに活用すれば納税額は620万円となり、納税原資とすることも可能です(下図のB)
 妻が契約者となっていますが、専業主婦などで保険料の原資がない場合は夫が契約し、亡くなった時点でその権利を妻が相続すれば、そのまま契約を継続することが可能です。ただしその場合、解約返戻金の額が遺産総額に加わることになります。

 ちなみに、ケースの遺産総額を2億円に設定したのは、相続税を申告する人の73%は課税価格2億円以下だからです(国税庁HPより)。申告割合は約7%なので、日本の相続の98%はこの範囲に収まることになります。

 つまり、生命保険の非課税枠をフル活用すれば、ほとんどの日本人は相続税に頭を悩ませる必要はないのです。

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北山雅一[キャピタル・アセット・プランニング代表取締役社長]

キャピタル・アセット・プランニング代表取締役社長、公認会計士。1957年生まれ。79年慶應義塾大学商学部卒業。公認会計士として大手監査法人に勤務。90年キャピタル・アセット・プランニング設立。同社は生保・金融機関向けの営業支援システム、資産管理プラットフォームで独自のポジションを築いている。 ホームページ http://www.coole.jp/index.html

 

 


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働き盛りの現役世代にとって、相続税は他人事――そんなことでは「納税しなくて済んだはず」の相続税を支払い、国を喜ばせてしまいます。資産を守るには、確かな情報と知識が欠かせません。
独自のノウハウと戦略で「顧客の資産を守る」キャピタル・アセット・プランニングの北山雅一社長が、20年計画で取り組む「ファミリーが幸せになるためのタックスプランニング」を伝授します。

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