亮さんは香織さんと子どもが産まれてから現在まで喧嘩が絶えず、家庭には不穏な空気が流れていました。子どものことを除いては夫婦間に会話がないような冷め切った関係で、もはや離婚は秒読みというところでした。亮さんは離婚を望んでいたのですが、亮さんの望みは「ただ離婚するだけ」ではなかったのです。これはどういうことでしょうか。

ある会社員が親権交渉に使った
妻に関する「4つのエピソード」

「嫁には娘のことを任せられないんです!」

 亮さんは自分が結愛ちゃんの親権を持って育てていきたいと思っていたのです。確かに香織さんが「妻として不適格」なら離婚すれば良いのですが、さらに「母として不適格」なら(妻としても母としても不適格なら)、親権を譲りたくないと思うのは当然のことです。もちろん、「妻として不適格な部分」と「母として不適格な部分」は多少重複するのですが、今回のケースでは香織さんがあっさり離婚に同意したようなので、「妻として不適格な部分」を挙げる必要はなく、「母として不適格な部分」に絞って、「何がどのように不適格なのか」を香織さんに対して提示し、亮さんが親権を持つことができるよう話を進めていったのです。

 結婚から現在までの6年間に何が起こったのか、亮さんの話を聞いてみると、過去のエピソードは子どもの「何に」悪影響を与えるのかという観点から、次の4つに分類することができました。

 もちろん、すべてのエピソードを挙げることはスペース的に難しいので、大部分は割愛し、香織さんとの交渉の際に特に効果的だと思われる、彼女が罪悪感や後ろめたさを持ちそうな、そして言い逃れができなさそうなポイントに絞り込みました。

(1)人格形成や情緒(きちんと子どものことを考えようとしない)
(2)生活環境(まんべんなく家事をしようという気がない)
(3)教育環境(まともに育児をしようとしない)
(4)成長(最低限のしつけをしようとしない)

 果たして、この4つのポイントを主張しながら、亮さんは子どもの親権を得ることに成功したのでしょうか。その経緯とポイントは、次回詳しく述べようと思います。

※次回は5月23日(金)公開予定です。