では、世の離婚した男性たち何を失ったのでしょうか?今回は私のところに来た男性の相談内容のなかから、子どもがいた離婚で相談が多い(1)お金、(2)プライド、(3)育児の協力、(4)親子関係のケースを順に見ていきましょう。心の傷はどのくらい深く、大きく、暗いのか……傍から見てもピンとこないので、やはり経験者の声を聞くのが手っ取り早いでしょう。

(1)「お金」

「自殺も考えましたが、なかなか踏ん切りがつきません。本当に死んだほうが楽になれるような気がします。生きていても仕方がないような気がしてならないです」

 そんなふうに苦しい胸のうちを語ってくれたのは星野雄大さん(36歳)。雄大さんはどうして精神的に追い詰められ、ここまで人生に絶望し、そして「自殺」の二文字が頭をよぎるまでになってしまったのでしょうか?

 雄大さんが元妻と離婚したのは6年前。1人息子は妻が引き取り、雄大さんは妻に対して息子さんの養育費として毎月9万円を支払うことを約束しました。雄大さんの当時の年収は600万円。毎月9万円の養育費は労せず支払える範囲だったのですが、東日本大震災をきっかけに状況が一変しました。

アルバイト、借金で養育費を工面
離婚貧乏の最たる例

 雄大さんはイベントの企画会社を経営していたのですが、震災後は仕事が激減し、収入は3分の1以下に。自分が食いつなぐので精一杯なのに、息子さんの養育費は貯金を切り崩し、アルバイトをし、さらに消費者金融で借金をして、何とか支払ってきました。しかしこのような自転車操業が長続きするわけもなく、すでに限界に達していたのです。現在はうつ状態で心療内科へ通院しているそうです。

「どうすればいいのか……物事を考えることすら、今はしんどいです。夜も寝られず、体重も10キロもやせて、もう元には戻れないような気がします。毎日、布団の中で悩んでいるだけ。本当は先方(元妻)に頭を下げるしかないんでしょうけれど、頭では分かっていても体がついていかないんです」