出会いがあれば別れがあり、始めがあれば終わりがあります。春からご愛読いただいた「大人のネットマナー教室」ですが、今回で最終回を迎えることとなりました。
お名残惜しいですが、しかし、別れがあればまた出会いがあります。近々、単行本という形で……。ま、いきなり長々と告知するのも何なので、詳しい話は最後にまわすとして、本題に入りましょう。
最後は「ネット疲れ」を予防する心得について。おそらく私たちは、好むと好まざるとにかかわらず、これからもネットと密に付き合っていく宿命にあります。しかし、すでにご承知のとおり、ネットはけっして付き合いやすい相手ではありません。
接し方や距離感を間違えると、ドッと疲れたり激しく打ちのめされたりしてしまいます。ネットという頼もしいパートナーと末永くいい関係を続けるためには、どんなことに気をつければいいのか。大人としてのスタンスやマナーを考えてみましょう。
◆心得その1
ネットに過大な期待を寄せることなかれ
確かにネットは便利だし、底知れない可能性を持っています。しかし、しょせんは道具の一種に過ぎません。
「ネットを華麗に使いこなせば使いこなすほど、デキるビジネスマンになれる!」「ネットで人生が変わる! 今までとは違う別の自分になれる!」などなど、現状が満たされていない人ほど、ネットに対して過大な期待を寄せる傾向があります。しかし、それはひじょうに危険。
ふと気が付くと、ネットを人より上手に使えることだけがプライドの拠り所になったり、ネット以外の部分にある自分の本当のダメさから目をそらしたりしがち。ちなみに、ここまでの「ネット」の部分を「ツイッター」や「iPad」に入れ替えても、ほぼ同じことが言えます。
残念ながらネットには、人生を劇的に変えてくれるほどの力はありません。大きな期待はやがて落胆に変わり、激しい徒労感を覚える羽目になります。