シンガポールの選挙投票日は
国民の休日で投票率は93.56%!
今月10日の参院議員選挙が終わったかと思いきや、31日には東京都知事選と、矢継ぎ早に重要な選挙が続く。
東京都は、年間予算13兆円の規模を誇る世界トップクラスの経済都市。フィンランド、インドネシア、アルゼンチンなどの一国の予算と並ぶ財力を持つ。
その長たる東京都知事は、日本の有権者の1割に及ぶ1130万人もの都民から直接選び出されるので、「日本のもう1人の首相」と言われているほどだ。そんな重要なポストだからこそ、しっかりと民意が示される選挙となってほしいと願っている。
だが、日本の「投票率の低さ」には毎度ため息がでる。先日の参院選は投票権が18歳に引き下げられたものの、20代~30代の投票率は低いまま。これでは日本が「シルバー民主主義」と揶揄されるのも無理はない。
ちなみに、シンガポールの選挙投票率は93.56%と、日本では考えられないほど高い。なぜかと言うと、シンガポールでは投票は国民の義務だから。投票に行かなければ選挙人名簿から抹消されるという罰則もある。日本と異なり平日に投票が行われることもあるが、選挙投票日は「Polling day」と呼ばれ、国民の休日となるオマケ付きだ。
シンガポール以外の国を見てみると、オーストラリア、ベルギー、スイスをはじめ、世界の三十数ヵ国でも義務投票制が導入されている(罰則・詳細は国により異なる)。日本でも毎回投票率が低いことが長年問題視されているが、そろそろ「義務投票」の導入を検討してみるのもいい頃なのではないだろうか。
そうでもして投票率を改善していかないと、選挙後に思いがけないことが決まったときに、「ちょっと待った」をムダに訴える羽目になる。少し強硬手段かもしれないが、国と自身の将来を大きく左右する重要事項くらい義務化したほうが良いだろう。
二代続く残念な東京都知事の不祥事、中央政界の茶番劇を見るたびに、シンガポールの英雄で初代首相の故リー・クアンユー氏を思い出す。(連載第16回参照)。