「そろそろ、ジュエリーを買ってみよう!」と思っても、高額で服のように気軽に買いかえることができないジュエリーに対して、私たちの経験は圧倒的に不足しています。ですから、いざ「何か欲しいな」と思っても、何を買っていいのか、どこで買えばいいのか、そもそも、どこにどうつければいいのかもわからない!という方は、多いと思います。そこで、ジュエリーディレクター・スタイリストとして大活躍中の伊藤美佐季さんに、著書『そろそろ、ジュエリーが欲しいと思ったら』の中から初心者でも失敗しないジュエリーの買い方や、素敵に見えるつけ方のコツを教えていただきました。今回は、簡単なようで難しいブレスレットの重ね着けについて伺いました。

あちこち着けるより 1・2ヶ所に絞ったほうがおしゃれ

「1つ1つは素敵なジュエリーなのに、着け方が残念」と思ってしまうのは、ピアスにネックレス、リングにバングルと、体のいろいろな部位にあれこれジュエリーを着けている方を見た時です。

おしゃれと、やりすぎの違いは何?<br />ブレスレット重ね着けのルールPhoto by 成尾和見(SEPT)

たとえば、顔まわりのジュエリーで想像してみてください。耳元に存在感のある大きなピアスを着けて、ネックレスにも目を引くものを着けていたら、顔の印象がどちらにも引っ張られてしまい、ジュエリーに負けてしまうと思いませんか。

3か所以上にジュエリーを着けるのはとても難しいので、よほどバランスよく着けない限りトゥーマッチに見えてしまい、自分を引き立ててくれるはずのジュエリーが、逆効果になってしまいます。

素敵なジュエリーづかいとは、あくまで着ける人を引き立ててくれること。『そろそろ、ジュエリーが欲しいと思ったら』の中では、似合うジュエリーの選び方や、そのシンプルで効果的な着け方をたくさんご紹介していますが、重ね着けをする際にも、おさえておくべきコツがあります。

それは、着ける部位を増やすのではなく、部位を絞って、あちこち散らさずに着けること。たとえば、写真のノースリーブのシンプルなワンピースなら、ピアスとネックレスとブレスレットを1つずつ着けるよりも、バングルだけを3つ重ね着けすることで、ぐっと洗練された印象になります。「ジュエリーは部位を絞って重ねる」が、失敗しない重ね着けの鉄則なのです。