感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』の著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」から、とっておきのアドバイス。心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】<br />いちばん関わってはいけない人の意外な特徴とは?イラスト:カツヤマケイコ

一方的に得ようとする人の手口

きょうのひとことは、
「デンジャラス・テイカーにご用心」

『「関わらないほうがいい人」の特徴とは?』という記事でお伝えしたように、自分だけ得て人には与えない「テイカー(得る人)」がいます。

簡単に説明すると、世の中には「ギバー(与える人)」「テイカー(得る人)」「マッチャー(バランスをとる人)」がいて、全体の2割くらいはテイカーがいます。

そのなかでも、とってもやっかいな「デンジャラス(危険な)テイカー」についてお話してみたいと思います。

この「デンジャラス・テイカー」というのは、アテクシが名づけた造語なのですが、誰彼かまわず得ようとする人のことです。

全体の2割くらいいるとされるテイカーの中でも、とくに他人から得ようとする傾向が強い人です。

いい大人であれば、つき合いをうまく進めるための社交辞令をわきまえますから、テイカーといえども、最初のうちはギブ・アンド・テイクをする素振りを見せたり、少なくともそういうフリをして、関係性をちょっと深めて仲よくなってから、テイカーである本性を出すものです。

ところが、デンジャラス・テイカーというのは、初っ端から厚かましく、「あれやって、これやって」「これ、お願い」「これもらうね」みたいな感じで、一方的に得ようとする傾向が強いです。

そんな人を目の前にしたら、つき合うのをやめようと思いますから、人が離れていくはずです。ところが、デンジャラス・テイカーには、なかなかそうはさせない理由があるのです。

それというのも、デンジャラス・テイカーは、ちょっとお茶目だったり愛嬌があったりして、他人の懐に転がり込むのがとても上手な人が多いです。

シンプルにいうと、「おねだり上手」なのです。

だからこそ、相手もなんとなく与えてしまったり、懐に転がり込んでくる勢いにのまれて与えてしまったりします。

しかし、そういうことが続くと、ふと気づくことになります。

「あれ、自分が一方的に与えてばっかりじゃないか」と。そう、デンジャラス・テイカーは、「人たらしの名人」だったりするのです。

自分が与えてばかりいることに気づかせないというか、与えてばかりいる事実をわからなくしてしまうという、恐ろしい才能があったりするんですね。

そういう人とは、距離をとって関わらないようにするのがいちばんなのですが、デンジャラス・テイカーは得てして距離を開けないようにコミュニケーションをとるのが上手だったりします。

もし自分のまわりにそういう人がいると気づいたら、冷静になって一度、その人に与えた事実を淡々と並べてみてください。

自分は一方的に与えていないか、デンジャラス・テイカーの術中にハマっていないか、と。その事実を認めたら、関わらないようにしようと思えるはずです。

きょうのひとことは、
「デンジャラス・テイカーにご用心」
でした。

参考になったかしら?