渋谷ヤスヒト
ロレックスなどのスイス製の高級腕時計は、古くから「コピー品作成」の標的となってきた。昨今はその手口が洗練され、「外側は本物、中身は偽物」「目立つ部品だけ本物」といった“合わせ技”が使われるようになった。目の肥えた時計ファンすら騙される「スーパーコピー」は、誰が何のために製造しているのか。

「ロレックスマラソン」。高級時計のロレックスをいち早く入手するべく、正規販売店を毎日のようにハシゴする行為だ。SNSなどでは「売ってもらうための攻略法」が出回っているが、「隠しているロレックスを出せ」とばかりに訪問を繰り返される店舗側にとっては大きな負担である。中には心を病み、退職するスタッフもいるという。悪質な時計愛好家の実態と、「マラソンランナー」が知らないロレックスの真の魅力を、経験豊富な時計ジャーナリストが解説する。

トランプ関税がスイスの時計産業を瀕死に追い込んだことをご存じだろうか。トランプ米大統領は8月、スイスからの輸入品に対する関税を39%に引き上げた。これを受け、スイスの機械・電気産業界は「業界の存亡に関わる」と悲鳴を上げた。だが11月、この問題がようやく解決に向かい、日本と同じ15%に軽減されることが決まった。苦境を救う一助となったのは、ロレックスCEOなどによるトランプ大統領への直談判だったという。だが「トランプ詣で」を嫌い、交渉に加わらなかった気骨ある時計メーカーも存在する。
