
「日本の製造業は中国など新興国のメーカーに追いつかれて競争力を失い、いずれ立ち行かなくなる……」と、巷で言われています。
現在はこれに「歴史的な円高」が加わって、新聞などでは「もはや日本の輸出産業は壊滅状態」と、普通に書いてありますね。
でも、これって本当でしょうか? 結論から言うと、完全なウソ、というか捏造ですね(笑)。
まず、ここ10年間の貿易統計をよく見てみましょう(表参照)。
中国などの新興国に追いつかれ、日本が世界における競争力を失うなら、当然、日本の貿易黒字は年々減少しているはずですよね。少なくとも、競争力がないのであれば輸出が伸びないはず。現地生産が加速しているならさらに輸出額は減っているはずです。
実は「急激な円高→輸出産業は大きなダメージ」ではなかった!しかし現実には、上のグラフのとおり。円高が進んだ02~08年に輸出額は大幅に増え、黒字も維持しています。さすがに08年はリーマンショックの影響で貿易黒字は大幅に減ったのですが、これは海外の消費が落ち込んだことによるもので、日本の競争力がなくなったためではない。その証拠に、すでに今年は年間60兆~70兆円の輸出額を記録する勢いで、これは80年代バブル期のピークに比べると2倍くらいの数字なのです。
しかし、この円高で貿易収支は……と思われるかもしれませんが、貿易統計を見ると、8月までに4兆円以上の貿易黒字を出しています。もちろん対中貿易も黒字です。
中国はともかく、よくサムソンなど韓国企業は元気で、日本企業は追い上げられてダメだ、という話もあります。では日本は韓国に対して貿易赤字なのか? とんでもない。大幅な貿易黒字です。
はっきりしておきたいのは、日本製品の競争力は円高にも影響されませんし、中国などの新興国による生産によっても大して脅かされないこと。むしろ、新興国がローテクな電気製品などを製造・販売してお金を儲けて豊かになるほど、さらに付加価値の高い日本製品を買ってくれる、とてもいいお得意様になる、というのが真相なのです。
中国人の仕事のパートナーは私に向かってこう言います。
「日本人は自分たちを『八百屋さん』だと思っている。だから韓国や中国が作った安い野菜が出回れば飯の食い上げだ、とすぐに騒ぐ。本当は八百屋ではなく、『宝石商』であることに気づいていない」
とても価値がある高級な宝石(日本製品)を売っているのだから、新興国の人々が豊かになればなるほど売れる。それを日本人自身が認識していないというのです。
GDPが中国に抜かれたから何が困るというのでしょう? 円高がそんなにいけないことなのでしょうか? いったい日本人は何を心配しているんでしょうね……。
●筆者Profile
現役金融マン・ぐっちーさん
大学卒業後、丸紅を経て、モルガン・スタンレーやABNアムロなどで活躍。現在もM&Aや地方再生などのディールをこなす一方、07年に「アルファブロガーアワード」を受賞。AERA、SPA!の連載のほか、「THE GUCCI POST」を開設し、経済金融評論家としても活躍中。
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