2024年から新しいNISA制度が始まったこともあり、最近はインデックスファンドの競争がますます激化している。これまで以上に信託報酬が安いファンドが登場したり、既存のファンドが信託報酬を引き下げたりするのは個人投資家にとって非常にありがたい話だが、一方で「結局、どのインデクスファンドが一番運用コストが安いのか」がわかりにくくなってしまった。
また、投資信託の運用コストは信託報酬だけではなく、わずかだが諸費用や売買委託手数料など、その他の「隠れたコスト」も発生している。最近では信託報酬が限界に近いほど下がり、「隠れたコスト」のウエイトが相対的に高くなってきたため、本当にお得なインデックスファンドを選びたいなら信託報酬以外のコストを加味した「実質コスト」も重要となっている。
そこで今回は、低コスト・インデックスファンのなかでも個人投資家にも比較的人気が高い以下のシリーズを比較。それぞれの「信託報酬」と、運用報告書などから計算した「実質コスト」を比べてランキングを作成した。
○ ニッセイ<購入・換金手数料なし>
○ たわらノーロード
○ eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)
○ eMAXIS(イーマクシス)
○ iFree
○ 三井住友・DC
○ My SMT インデックス
○ SMT インデックス
○ インデックスe
○ 野村インデックスファンド(愛称:Funds-i)
○ 野村つみたて
○ iシェアーズ
○ 楽天バンガード
◯ 楽天インデックス(楽天+)
○ Smart-i
○ SBIインデックス・ファンド
◯ SBI・Vシリーズ
◯ SBI・iシェアーズ
○ PayPay投信インデックスファンド
○ Tracers
◯ はじめてのNISA
「実質コスト」の計算方法は記事の最後で解説しているが、先に読みたい人は以下のリンクからジャンプしよう。
⇒「実質コスト」の計算方法はこちら
また、ランキング作成にあたり、「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」のようなファンド・オブ・ファンズは、ファンド本体の信託報酬にETFの信託報酬などを加えた「実質的な負担」で比較した。
なお、「インデックスファンドとは何か?」という解説や、「つみたてNISA対応のインデックスファンド」、さらにインデックスファンドを組み合わせた「バランスファンド」については、以下の記事でくわしく紹介しているので参考にして欲しい。
【※インデックスファンドの基本的な解説はこちら!】
⇒「インデックスファンド」の意味や特徴から、代表的な銘柄まで、初心者にもわかりやすく解説! 低コストで簡単に分散投資できるのがメリット!
【※NISA「つみたて投資枠」対応のインデックスファンドはこちら!】
⇒新NISAの「つみたて投資枠」対象の「インデックス型」投資信託の中で信託報酬の安い商品を厳選して紹介!騰落率や取り扱い金融機関に注目して商品を選ぼう!
|
全世界株式
■全世界株式 インデックスファンド信託報酬ランキング | ||||||
順 位 |
ファンド名 (略称) |
信託報酬 (税込) |
実質コスト (税込) |
純資産総額 (億円) |
詳細 リンク |
|
1 位 |
楽天インデックス オールカントリー |
0.0561% | ー | 891.10 | ||
2 位 |
eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー) |
0.05759% (※1) |
ー (※2) |
27738.58 | ||
3 位 |
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)(※3) |
0.05770% (※4) |
ー (※2) |
4340.25 | ||
4 位 |
はじめてのNISA 全世界株式 |
0.05775% | ー | 72.40 | ||
【関連記事】「はじめてのNISA」は、野村アセットが“低コスト”を追求した投資信託! 信託報酬率に加え、総経費率でも業界トップクラスの低コストを期待できる理由とは!? | ||||||
参 考 |
eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)(※5) |
0.05775% |
ー (※2) |
128.83 | ||
参 考 |
Tracers 世界株式 |
0.05775% (※6) |
ー | 31.20 | ||
5 位 |
SBIインデックス 全世界株式(※7) |
0.1102% (※8) |
0.120% (※9) |
1821.21 | ||
6 位 |
たわらノーロード 全世界株式 |
0.1133% | 0188% | 251.35 | ||
7 位 |
Smart-i 全世界株式 |
0.1144% | 0.219% | 27.83 | ||
7 位 |
Smart-i 全世界株式(除く日本)(※3) |
0.1144% | 0.226% | 9.14 | ||
参 考 |
ニッセイ 世界株式(※10) |
0.1144% | 0.258% | 20.43 | ||
9 位 |
SBI・V 全世界株式(※7) |
0.1338% (※11) |
0.163% (※12) |
385.95 | ||
10 位 |
楽天・バンガード 全世界株式(※7) |
0.192% (※13) |
0.217% (※14) |
4405.79 | ||
11 位 |
野村つみたて 外国株(※3) |
0.209% | 0.238% | 1134.35 | ||
12 位 |
三井住友・DC 全海外株式(※3) |
0.275% | 0.349% | 2169.58 | ||
13 位 |
eMAXIS 全世界株式(※3) |
0.66% | 0.717% | 439.93 | ||
※2024年3月15日時点。注記のないものは、すべて「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)」に連動。実質コストは、直近の運用報告書のデータより計算。実質コストが入っていないものは、ファンド設定から1年未満のため不明のもの。※1 純資産総額5000億円未満の部分は0.05775%、5000億円以上1兆円未満の部分は0.05764%、1兆円以上の部分は0.05753%(すべて税込)となる「受益者還元型信託報酬率」を採用しているため、記載時点の純資産総額を元に平均信託報酬を算出。※2 信託報酬引き下げ後に運用報告書などが出ていないことに加え、引き下げ率が大きく、引き下げ前の数値で計算してもズレが大きいと考え、未計算とした。※3「「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)」に連動。※4 純資産総額2500億円未満の部分は0.05775%、2500億円以上5000億円未満の部分は0.05764%、5000億円以上の部分は0.05753%(すべて税込)となる「受益者還元型信託報酬率」を採用しているため、記載時点の純資産総額を元に平均信託報酬を算出。※5「TOPIX」と「MSCIコクサイ・インデックス」「MSCIエマージング・インデックス」の各インデックスファンドを33.3%ずつ組み合わせたバランスファンド。※6 一般的に含まれる「指数の標章使用料」などのコストが含まれていない信託報酬。指数の標章使用料」は、0.3%を上限とする「諸費用」に含まれる。※7 日本を含む「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」に連動。※8「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」の信託報酬0.0682%に「投資対象とする投資対象ファンドの信託報酬等」0.042%を加えた「実質的な負担」。※8「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」の実質コスト0.081%(有効数字の桁数の関係で小数点第4位で四捨五入)に「投資対象とする投資信託証券における報酬」0.042%を加算。※10「TOPIX」と「MSCIコクサイ・インデックス」「MSCIエマージング・インデックス」の各インデックスファンドを名目GDP総額の比率に基づいて組み合わせたバランスファンド。※11「SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド」の信託報酬0.0638%に「投資対象とする投資対象ファンドの信託報酬等」0.07%を加えた「実質的な負担」。※12「SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド」の実質コスト0.093%(有効数字の桁数の関係で小数点第4位で四捨五入)に「投資対象とする投資信託証券における報酬」0.07%を加算。※13「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」の信託報酬0.132%に「投資対象とする投資信託証券における報酬」0.06%を加算した「実質的な負担」。※14「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」の実質コスト0.160%に「投資対象とする投資信託証券における報酬」0.07%を加算。 |
1銘柄を買うだけで、先進国から新興国まで世界中すべての株式市場に幅広く投資できるのが、全世界株式インデックスファンドのメリットだ。自分で株や投資信託を組み合わせたポートフォリオを考えなくていいので、初心者にもわかりやすく、非常に使い勝手の良い商品と言える。
この資産クラスで信託報酬を比較すると、2023年12月1日から信託報酬を引き下げる楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンドがトップ。10月7日に運用開始されたばかりの新しい投資信託だが、わずか約2カ月で信託報酬を引き下げてきたところに「業界最低水準の信託報酬」へのこだわりが感じられる。
続いて2位と3位には、2023年9月8日から信託報酬を約半分に引き下げたeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)とeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)がランクイン。なお、「eMAXIS Slim」シリーズの2ファンドは、以下のようにファンドの純資産総額に応じて信託報酬を引き下げる「受益者還元型信託報酬率」を採用しているため、ランキング作成時点の純資産総額をもとにそれぞれ平均信託報酬を算出して評価した。
■「eMAXIS Slim」シリーズの2ファンドの信託報酬 | ||
ファンド名 | 純資産総額 | 信託報酬(税込) |
eMAXIS Slim 全世界株式 (オール・カントリー) |
5000億円未満の部分 | 0.05775% |
5000億円以上1兆円未満の部分 | 0.05764% | |
1兆円以上の部分 | 0.05753% | |
eMAXIS Slim 全世界株式 (除く日本) |
2500億円未満の部分 | 0.05775% |
2500億円以上5000億円未満の部分 | 0.05764% | |
5000億円以上の部分 | 0.05753% |
次点は、2023年7月に運用を開始した「はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)」。「eMAXIS Slim」シリーズの2ファンドが「受益者還元型信託報酬率」でわずかに信託報酬が引き下げた分、後塵を拝したが、ほぼ同水準の低コストだと考えてもいいだろう。
【※関連記事はこちら!】
⇒「はじめてのNISA」は、野村アセットが“低コスト”を追求した投資信託! 信託報酬率に加え、総経費率でも業界トップクラスの低コストを期待できる理由とは!?
なお、Tracers MSCI オール・カントリー・インデックス(全世界株式)の信託報酬も「eMAXIS Slim」の2ファンドや「はじめてのNISA」とほぼ同じ0.05775%だが、請求目論見書などを見ると、通常、信託報酬に含まれる「指数の標章使用料」が外に出され、諸費用のほうに含まれている。他のファンドでは信託報酬に含まれている場合がほとんどなので、公平に比較できないとして本ランキングでは「参考」扱いとした。ちなみに、Tracersの「指数の標章使用料」が含まれる「諸費用」は上限が0.03%とのことなので、これを他のファンドに合わせて信託報酬に合算すると「上限0.08775%」になる。この数字を見る限りTracersの信託報酬を他のファンドと同じように計算すると、ランキング4位に相当すると考えられそうだ。
ただ、注意しておきたいのは、上位3位まで、参考に入れたものを加えると上位5位までのファンドは、どれもまだ諸経費を含んだ「実質コスト」がわからないことだ。実質コストを計算するには、運用開始や信託報酬の引き下げから1年以上後に出てくる運用報告書を待たなければならない。運用報告書が出てみたら「実は実質コストが非常に高かった!」という可能性もなくはないのだが、こればかりは現時点では正しい評価ができないので、この先、運用報告書が出揃うのを待ちたいと思う。
全世界株式のインデックスファンドを選ぶ際、信託報酬以外に気をつけるべき点は、ベンチマークとする指数の違いによって日本株をが投資対象に入っているファンドと入っていないファンドが混在していることだ。1本で文字どおり「世界中の株」をバランス良く買いたいという人は、日本株を含む「MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)」や「FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス」をベンチマークとするファンドがおすすめ。一方、ある程度の日本株や日本株ファンドをすでに保有している人、日本株と海外株は別々の商品に分けて管理したい人、日本株は自分で積極的に売買したいという人などは、日本株を含まない「MSCI ACWI(除く日本)」の5銘柄の中から選ぶといいだろう。
■全世界株式インデックスファンドの分類 | ||
日本株 | ベンチマーク | ファンド名 |
○ 対象 |
MSCI ACWI※ | ◆楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド ◆eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) ◆Smart-i Select 全世界株式インデックス ◆たわらノーロード 全世界株式 ◆Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式) ◆はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー) |
FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス | ◆SBI・全世界株式インデックス・ファンド ◆SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド ◆楽天・全世界株式インデックス・ファンド |
|
× 対象外 |
MSCI ACWI(除く日本)※ |
◆eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) ◆Smart-i Select 全世界株式インデックス(除く日本) ◆野村つみたて外国株投信 ◆三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド ◆eMAXIS 全世界株式インデックス |
※「MSCI ACWI」は「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」の略称。 |
もっとも、日本株が投資対象として含まれている「MSCI ACWI」と「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」のどちらも日本株の割合は5〜6%とそれほど高くはないうえ、今は世界中の株式市場が連動して動くことが多い。そのため、日本株を含むタイプと含まないタイプの2つの指数の値動きには大きな差はなく、気軽に選んでも大丈夫だ。
なお「MAXIS Slim」シリーズからは、日本株が投資対象に含まれるeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)と、含まれないMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)、さらに今回「参考」として紹介したMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)の3タイプが出ていて、ややこしいので気をつけよう。
「MSCI ACWI」と「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」の中身を比較すると、ポートフォリオを構成する国の比率は非常に似ている。ただ、「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」は小型株も含まれるが「MSCI ACWI」には含まれない、という違いがある。小型株は金額的な比率は低いので、値動きにそこまで大きな影響は与えないが、「大型株から小型株まで、できるだけ幅広く投資したい」と考える人は、SBI・全世界株式インデックス・ファン、、SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドか楽天・全世界株式インデックス・ファンドを候補として考えるといいだろう。
なお、<購入・換金手数料なし>ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)とMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)も1本で世界中の株式に分散投資できる商品なので合わせて紹介したが、複数のインデックスファンドを組み合わせたバランスファンドなので、ランキング上では「参考」扱いとした。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)は、毎年公表される名目GDP(国内総生産)総額の比率に合わせて国内株式、先進国株式(除く日本)、新興国株式の資産配分を決めるバランスファンドで、「MSCI ACWI」と比較すると新興国株式の割合が高いのが特徴だ。一方、MAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)は、「TOPIX」と「MSCIコクサイ・インデックス(日本を除く)」「MSCIエマージング・インデックス」を1/3ずつ組み合わせたバランスファンドだ。1/3ずつという比率に投資効率的な意味合いはないが、中身がわかりやすいというメリットはあるだろう。
▲目次へ |
日本株式(TOPIX型・日経平均型)
■日本株式(TOPIX型)インデックスファンド信託報酬ランキング | ||||||
順 位 |
ファンド名 (略称) |
信託報酬 (税込) |
実質コスト (税込) |
純資産総額 (億円) |
詳細 リンク |
|
1 位 |
SBI・iシェアーズ TOPIX |
0.1133% (※1) |
ー | 15.18 | ||
2 位 |
ニッセイ TOPIX |
0.143% |
0.146% (※2) |
772.16 | ||
2 位 |
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) |
0.143% |
0.147% (※2) |
1469.53 | ||
2 位 |
はじめてのNISA 日本株式(TOPIX) |
0.143% | ー | 4.22 | ||
【関連記事】「はじめてのNISA」は、野村アセットが“低コスト”を追求した投資信託! 信託報酬率に加え、総経費率でも業界トップクラスの低コストを期待できる理由とは!? | ||||||
5 位 |
My SMT TOPIX |
0.154% | 0.160% | 47.55 | ||
5 位 |
Smart-i TOPIX |
0.154% | 0.163% | 125.12 | ||
5 位 |
iFree TOPIX |
0.154% | 0.165% | 145.52 | ||
8 位 |
三井住友・DC 日本株式 |
0.176% | 0.184% | 1290.28 | ||
9 位 |
たわらノーロード TOPIX |
0.187% | 0.189% | 108.86 | ||
10 位 |
SMT TOPIX |
0.407% | 0.413% | 493.63 | ||
11 位 |
日本株式 インデックスe |
0.407% | 0.412% | 42.75 | ||
12 位 |
野村(Funds-i) TOPIX |
0.44% | 0.444% | 64.29 | ||
13 位 |
eMAXIS TOPIX |
0.44% | 0.444% | 230.27 | ||
※2024年3月15日時点。実質コストは、直近の運用報告書のデータより計算。実質コストが入っていないものは、ファンド設定から1年未満のため不明のもの。※1 ファンドの信託報酬0.0638%に「投資対象とする投資対象ファンドの信託報酬等」0.0495%を加えた「実質的な負担」。※2 信託報酬引き下げ後に運用報告書などが出ていないため、引き下げ前の「1万口当たりの費用」などで計算した参考値。 |
日本株全体の値動きを表す指数としてよく使われるのが、「TOPIX」と「日経平均株価(日経225)」の2つ。日経平均株価が代表的な225銘柄で構成されているのに対し、TOPIXは東証一部に上場するすべての銘柄の株価から算出される。そのため、「より幅広い銘柄に分散投資できる」という理由から、日本株のインデックスファンドとしてTOPIX型を選ぶインデックス投資家も多い。
TOPIX型の信託報酬ランキングでは、2023年7月に運用が開始されたSBI・iシェアーズ・TOPIXインデックス・ファンドが、2位以下を引き離してトップとなった。ただ、運用を開始したばかりでまだ実質コストが計算できないのがネック。一般的に日本株のインデックスファンドは諸経費などが少なく、海外株のファンドを比べて信託報酬と実質コストの差が小さい場合がほとんどだが、中には信託報酬にくらべて実質コストが高いファンドもあるので要注意だ。
なお、SBI・iシェアーズ・TOPIXインデックス・ファンドを含む「SBI・iシェアーズ」シリーズは、ETFに投資をする「ファンド・オブ・ファンズ」だ。そのため、表に掲載した信託報酬は、「ファンド自体の信託報酬」と「投資対象とするETFの信託報酬など」を合計した「実質的な負担」を掲載している。
一方、実質コストで比較すると、1位がeMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)、2位が<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドという結果に。1位と2位の差は0.001%程度なので、1000万円の保有でもコストの差は年間で100円程度。インデックスファンドを選ぶときはコストの安い商品を選ぶことが大事だが、ここまで僅差になってくると運用成績への影響の差はほとんど変わらないので、どこまでこだわるかは個人の好みの問題となってくるだろう。
■日本株式(日経平均型)インデックスファンド信託報酬ランキング | ||||||
順 位 |
ファンド名 (略称) |
信託報酬 (税込) |
実質コスト (税込) |
純資産総額 (億円) |
詳細 リンク |
|
1 位 |
SBI・iシェアーズ 日経225 |
0.1133% (※1) |
ー | 31.83 | ||
2 位 |
たわらノーロード 日経225 |
0.143% |
0.146% (※2) |
1438.01 | ||
2 位 |
ニッセイ 日経平均 |
0.143% |
0.146% (※2) |
805.67 | ||
2 位 |
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) |
0.143% |
0.148% (※2) |
765.34 | ||
2 位 |
PayPay投信 日経225 |
0.143% | 0.262% | 18.55 | ||
2 位 |
はじめてのNISA 日経225 |
0.143% | ー | 12.65 | ||
【関連記事】「はじめてのNISA」は、野村アセットが“低コスト”を追求した投資信託! 信託報酬率に加え、総経費率でも業界トップクラスの低コストを期待できる理由とは!? | ||||||
7 位 |
iFree 日経225 |
0.154% | 0.161% | 696.42 | ||
7 位 |
My SMT 日経225 |
0.154% | 0.163% | 150.14 | ||
9 位 |
野村つみたて 日経株 |
0.187% | 0.193% | 198.94 | ||
10 位 |
Smart-i 日経225 |
0.187% | 0.210% | 110.99 | ||
11 位 |
日経225 インデックスe |
0.209% | 0.216% | 19.35 | ||
12 位 |
iシェアーズ 国内株式 |
0.3575% | 0.407% | 65.74 | ||
13 位 |
SMT 日経225 |
0.407% | 0.413% | 395.36 | ||
14 位 |
野村(Funds-i) 日経225 |
0.44% | 0.446% | 817.95 | ||
15 位 |
eMAXIS 日経225 |
0.44% | 0.445% | 611.35 | ||
※2024年3月15日時点。実質コストは、直近の運用報告書のデータより計算。実質コストが入っていないものは、ファンド設定から1年未満のため不明のもの。※1 ファンドの信託報酬0.0638%に「投資対象とする投資対象ファンドの信託報酬等」0.0495%を加えた「実質的な負担」。※2 信託報酬引き下げ後に運用報告書などが出ていないため、引き下げ前の「1万口当たりの費用」などで計算した参考値。 |
日経平均株価は、投資対象の幅広さではTOPIXに劣るものの、日本株の値動きを表す指数としてはより一般的に使われているため、日経平均型のインデックスファンドを選ぶ個人投資家も多い。
日経平均型ランキングは、TOPIX型に続き、SBI・iシェアーズ・日経225インデックスファンドがトップとなった。
実質コストで見ると、1位はたわらノーロード 日経225、2位は<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドとなった。ちなみに信託報酬で2位にランクインしているPayPay投信 日経225インデックスは、実質コストがかなり高くなっているので要注意だ。
▲目次へ |
先進国株式
■先進国株式 インデックスファンド信託報酬ランキング | ||||||
順 位 |
ファンド名 (略称) |
信託報酬 (税込) |
実質コスト (税込) |
純資産総額 (億円) |
詳細 リンク |
|
1 位 |
eMAXIS Slim 先進国株式 |
0.09887% (※1) |
0.138% (※2、※3) |
6715.21 | ||
2 位 |
ニッセイ 外国株式 |
0.09872% |
0.126% (※3) |
6664.64 | ||
2 位 |
たわらノーロード 先進国株式 |
0.09889% |
0.126% (※3) |
5020.68 | ||
参 考 |
SBIインデックス 先進国株式(※4) |
0.1022% (※5) |
0.12% (※6) |
232.99 | ||
4 位 |
My SMT グローバル株式 |
0.1023% | 0.143% | 114.85 | ||
5 位 |
iFree 外国株式 |
0.209% | 0.240% | 482.85 | ||
6 位 |
Smart-i 先進国株式 |
0.22% | 0.282% | 665.61 | ||
7 位 |
iシェアーズ 先進国株式 |
0.4125% | 0.475% | 42.91 | ||
8 位 |
外国株式 インデックスe |
0.55% | 0.578% | 276.18 | ||
8 位 |
SMT グローバル株式 |
0.55% | 0.584% | 2093.57 | ||
10 位 |
野村(Funds-i) 外国株式 |
0.605% | 0.617% | 591.78 | ||
11 位 |
eMAXIS 先進国株式 |
0.6514% (※7) |
0.691% (※3) |
917.57 | ||
※2024年3月15日時点。注記のないものは、すべて「MSCIコクサイ・インデックス」に連動。実質コストは、直近の運用報告書のデータより計算。実質コストが入っていないものは、ファンド設定から1年未満のため不明のもの。※1 純資産総額5000億円未満の部分は0.09889%、5000億円以上1兆円未満の部分は0.09823%、1兆円以上の部分は0.09757%(すべて税込)となる「受益者還元型信託報酬率」を採用しているため、記載時点の純資産総額を元に平均信託報酬を算出。※2 左欄に記載した平均信託報酬を元に算出。※3 実質コストは、信託報酬引下後の運用報告書などが出ていないため、引き下げ前の「1万口当たりの費用」などで計算した参考値。※4「FTSEデベロップド・オールキャップ・インデックス」に連動。※5 ファンドの信託報酬0.0682%(税込)に「投資対象とする投資対象ファンドの信託報酬等」0.034%(税込)を加算した「実質的な負担」。※6 ファンドの実質コスト0.090%(有効数字の桁数の関係で小数点第4位で四捨五入)に「投資対象とする投資信託証券における報酬」0.034%(税込)を加算。また、有効数字の関係で小数点3位以下を四捨五入。※7 純資産総額500億円未満の部分は0.66%、500億円以上1000億円未満の部分は0.638%、1000億円以上の部分は0.616%(すべて税込)となる「受益者還元型信託報酬率」を採用しているため、記載時点の純資産総額を元に平均信託報酬を算出。 |
先進国株式型のランキングは、2023年に信託報酬を引き下げたeMAXIS Slim 先進国株式インデックス、ニッセイ外国株式インデックスファンド、たわらノーロード 先進国株式の3銘柄が頭ひとつ抜け出す形で上位を占めた。
なかでも、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは、純資産総額が増えると信託報酬が引き下げられる「受益者還元型信託報酬率」を採用しているのが強みとなり、見事1位となった。
一方、実質コストはニッセイ外国株式インデックスファンドがトップだった。
なお、SBI・先進国株式インデックス・ファンドについては、このファンドだけ「FTSEデベロップド・オールキャップ・インデックス」をベンチマークにしていることから「参考」扱いとした。
他の先進国株式インデックスファンドは、すべて「MSCIコクサイ・インデックス」をベンチマークにしている。これは、米国のMSCI社が提供する指数で、“日本を除く”先進国の大型株、中型株、1300銘柄以上で構成される。それに対し「FTSEデベロップド・オールキャップ・インデックス」は、資産の6.86%を日本株に投資(2023年7月末時点)しているため、ランキングでは「参考」扱いとした。SBI・先進国株式インデックス・ファンドを購入する人は、投資先に日本株が含まれていることを計算したうえで、ポートフォリオを組み立てよう。
ちなみに、ほとんどの先進国型インデックスファンドのベンチマークとして使われている「MSCIコクサイ・インデックス」は、国別の比率を見ると約70%を米国株式が占めている。また、米国に次いで比率が高いイギリス、フランスなどの欧州株式も、米国株とある程度値動きの連動性がある。そのため、先進国型の代わりに、より信託報酬の低い米国株式のインデックスファンドを積み立てる投資家も増えている。国際分散の徹底よりも信託報酬の低さを重視する人や米国株の成長性に期待する人なら、米国株式型インデックスファンドを選ぶのも悪くない選択肢だろう。
【※関連記事はこちら!】
⇒「米国株型」インデックス投信の中で、信託報酬が安くておすすめの7本を紹介! コスト最安は2022年3月に設定された「PayPay投信 米国株式インデックス」!
▲目次へ |
新興国株式
■新興国株式 インデックスファンド信託報酬ランキング | ||||||
順 位 |
ファンド名 (略称) |
信託報酬 (税込) |
実質コスト (税込) |
純資産総額 (億円) |
詳細 リンク |
|
1 位 |
SBI・V 新興国株式 |
0.1438% | ー | 7.22 | ||
2 位 |
eMAXIS Slim 新興国株式 |
0.1518% |
ー (※1) |
1437.39 | ||
3 位 |
SBIインデックス 新興国株式(※2) |
0.176% (※3) |
0.189% (※4) |
255.90 | ||
4 位 |
ニッセイ 新興国株式 |
0.1859% |
0.459% (※5) |
40.05 | ||
5 位 |
たわらノーロード 新興国株式 |
0.1859% |
0.521% (※5) |
216.38 | ||
5 位 |
はじめてのNISA 新興国株式 |
0.1859% | ー | 2.91 | ||
【関連記事】「はじめてのNISA」は、野村アセットが“低コスト”を追求した投資信託! 信託報酬率に加え、総経費率でも業界トップクラスの低コストを期待できる理由とは!? | ||||||
7 位 |
My SMT 新興国株式 |
0.187% | 0.433% | 14.50 | ||
8 位 |
楽天インデックス 新興国株式(※6) |
0.212% (※7) |
0.265% (※8) |
34.95 | ||
9 位 |
iFree 新興国株式(※9) |
0.374% | 0.683% | 151.53 | ||
9 位 |
インデックスファンド 海外新興国株式 |
0.374% | 0.785% | 524.90 | ||
9 位 |
三井住友・DC 新興国株式 |
0.374% | 0.616% | 66.35 | ||
9 位 |
Smart-i 新興国株式 |
0.374% | 0.775% | 58.08 | ||
13 位 |
iシェアーズ 新興国株式 |
0.484% | 0.590% | 14.24 | ||
14 位 |
野村(Funds-i) 新興国株式 |
0.66% | 0.788% | 67.62 | ||
14 位 |
eMAXIS 新興国株式 |
0.66% | 0.838% | 378.71 | ||
14 位 |
SMT 新興国株式 |
0.66% | 0.910% | 316.83 | ||
※2024年3月15日時点。注記のないものは、すべて「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」に連動。実質コストは、直近の運用報告書のデータより計算。実質コストが入っていないものは、ファンド設定から1年未満のため不明のもの。※1 信託報酬引き下げ後に運用報告書などが出ていないことに加え、引き下げ率が大きく、引き下げ前の数値で計算してもズレが大きいと考え、未計算とした。※2「FTSE エマージング・インデックス」に連動。※3「SBI・新興国株式インデックス・ファンド」の信託報酬0.066%に「投資対象とする投資対象ファンドの信託報酬等」0.11%を加算した「実質的な負担」。※4「SBI・新興国株式インデックス・ファンド」の実質コスト0.083%(有効数字の桁数の関係で小数点第4位で四捨五入)に、「投資対象とする投資信託証券における報酬」0.11%を加算。※5 実質コストは、信託報酬引下後の運用報告書などが出ていないため、引き下げ前の「1万口当たりの費用」などで計算した参考値。※6「FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス」に連動。※7 ファンドの信託報酬0.132%に「投資対象とする投資信託証券における報酬」0.08%を加えた「実質的な負担」。※8 ファンドの実質コスト0.201%に、「投資対象とする投資信託証券における報酬」0.08%を加算。※9 「FTSE RAFI エマージング・インデックス」に連動。 |
新興国インデックスファンドは、2023年6月8日から運用を開始したSBI・V・全世界株式インデックス・ファンドがランキング1位に輝いた。また、eMAXIS Slim 新興国株式インデックスが9月7日から信託報酬を大幅に引き下げ、1位には及ばなかったもののeMAXIS Slim 新興国株式インデックスをベンチマークとするファンドのなかでは最も低コストとなった。
一方、実質コストは、1位のSBI・新興国株式インデックス・ファンドと2位の楽天・新興国株式インデックス・ファンドが3位以下を引き離してのランクインとなった。この2ファンドはどちらもETFで運用する「ファンド・オブ・ファンズ」なので、その運用方式の違いが実質コストの低さにつながったのかもしれない。
なお、ほとんどの新興国株式インデックスファンドがすべて「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」に連動しているのに対し、SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドと楽天・新興国株式インデックス・ファンドは「FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス」、SBI・新興国株式インデックス・ファンドは「FTSE エマージング・インデックス」、iFree 新興国株式インデックスは「FTSE RAFI エマージング・インデックス」と、それぞれ異なる指数をベンチマークにしている。どれも新興国株式の動きに連動しているのは同じだが、カバーしている国や投資対象などが微妙に違っているので、気になる人はチェックしてみよう。
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日本債券
■日本債券 インデックスファンド信託報酬ランキング | ||||||
順 位 |
ファンド名 (略称) |
信託報酬 (税込) |
実質コスト (税込) |
純資産総額 (億円) |
詳細 リンク |
|
1 位 |
ニッセイ 国内債券 |
0.132% | 0.133% | 78.33 | ||
1 位 |
eMAXIS Slim 国内債券 |
0.132% | 0.135% | 225.22 | ||
1 位 |
iFree 日本債権 |
0.132% (※1) |
0.137% | 38.36 | ||
1 位 |
Smart-i 国内債券 |
0.132% | 0.139% | 158.14 | ||
5 位 |
たわらノーロード 国内債券 |
0.154% | 0.155% | 238.15 | ||
6 位 |
三井住友 日本債券 |
0.176% | 0.179% | 696.15 | ||
7 位 |
iシェアーズ 国内債券 |
0.297% | 0.339% | 5.29 | ||
8 位 |
日本債券 インデックスe |
0.407% | 0.412% | 11.68 | ||
9 位 |
SMT 国内債券 |
0.407% | 0.413% | 226.95 | ||
10 位 |
野村(Funds-i) 国内債券 |
0.44% | 0.442% | 31.00 | ||
10 位 |
eMAXIS 国内債券 |
0.44% | 0.443% | 79.66 | ||
※2024年3月15日時点。すべて「NOMURA-BPI総合」に連動。実質コストは、直近の運用報告書のデータより計算。実質コストが入っていないものは、ファンド 設定から1年未満のため不明のもの。※1 新発10年国債の利回りが1%未満の場合。 |
日本債券インデックスファンドは、最近になって信託報酬を大きく引き下げた<購入・換金手数料なし>ニッセイ国内債券インデックスファンド、eMAXIS Slim 国内債券インデックス、iFree 日本債券インデックス、Smart-i 国内債券インデックス」が並んでトップに。この4ファンドは、ここに来て5位以下のファンドを一歩引き離す形となった。
一方、実質コストは、僅差で<購入・換金手数料なし>ニッセイ国内債券インデックスファンドが最安となった。
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先進国債券
■先進国債券 インデックスファンド信託報酬ランキング | ||||||
順 位 |
ファンド名 (略称) |
信託報酬 (税込) |
実質コスト (税込) |
純資産総額 (億円) |
詳細 リンク |
|
1 位 |
eMAXIS Slim 先進国債券 |
0.1516% (※1) |
0.166% (※2) |
1138.02 | ||
2 位 |
ニッセイ 外国債券 |
0.154% | 0.191% | 270.24 | ||
3 位 |
たわらノーロード 先進国債券 |
0.187% | 0.205% | 473.86 | ||
3 位 |
Smart-i 先進国債券 |
0.187% | 0.217% | 54.86 | ||
5 位 |
iFree 外国債券 |
0.198% | 0.220% | 74.80 | ||
6 位 |
三井住友・DC 外国債券 |
0.21% | 0.265% | 863.83 | ||
7 位 |
iシェアーズ 先進国債券 |
0.3575% | 0.429% | 7.81 | ||
8 位 |
外国債券 インデックスe |
0.55% | 0.571% | 28.48 | ||
8 位 |
SMT グローバル債券 |
0.55% | 0.584% | 303.80 | ||
10 位 |
野村(Funds-i) 外国債券 |
0.605% | 0.622% | 30.45 | ||
11 位 |
eMAXIS 先進国債券 |
0.66% | 0.675% | 160.62 | ||
※2024年3月15日時点。すべて「FTSE世界国債インデックス(除く日本)」に連動。実質コストは、直近の運用報告書のデータより計算。実質コストが入っていないものは、ファンド 設定から1年未満のため不明のもの。※1 純資産総額500億円未満の部分は0.154%、500億円以上1000億円未満の部分は0.1485%、1000億円以上の部分は0.143%(すべて税込)となる「受益者還元型信託報酬率」を採用しているため、記載時点の純資産総額を元に平均信託報酬を算出。※2 左欄に記載した平均信託報酬を元に算出。 |
先進国債券インデックスファンドのトップは長らくeMAXIS Slim 先進国債券インデックスと<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンド」がほぼ横並びだったが、純資産総額が増えると信託報酬を引き下げる「受益者還元型信託報酬率」が効果を発揮し、わずかに信託報酬を引き下げたeMAXIS Slim 先進国債券インデックスが1位となった。
一方、実質コストもeMAXIS Slim 先進国債券インデックスが、他より頭ひとつ抜け出して単独でトップに立った。
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新興国債券
■新興国債券 インデックスファンド信託報酬ランキング | ||||||
順 位 |
投信シリーズ名 (略称) |
信託報酬 (税込) |
実質コスト (税込) |
純資産総額 (億円) |
詳細 リンク |
|
1 位 |
iFree 新興国債券 |
0.242% | 0.328% | 153.96 | ||
2 位 |
インデックスファンド 海外新興国債券 |
0.374% | 0.635% | 128.80 | ||
3 位 |
野村(Funds-i) 新興国債券 |
0.66% | 0.757% | 11.09 | ||
3 位 |
eMAXIS 新興国債券 |
0.66% | 0.760% | 55.73 | ||
3 位 |
SMT 新興国債券 |
0.66% | 0.777% | 114.86 | ||
※2024年3月15日時点。すべて「JPモルガンGBI-EMグローバル・ダイバーシファイド(円換算ベース)」に連動。実質コストは、直近の運用報告書のデータより計算。実質コストが入っていないものは、ファンド 設定から1年未満のため不明のもの。 |
新興国債券インデックスファンドは、そもそも数が少なく、現在比較しているシリーズの中では5銘柄しかない。その中でiFree 新興国債券インデックスが信託報酬、実質コストともにダントツの低コストで、トップの座をキープしている。
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日本リート
■日本リート インデックスファンド信託報酬ランキング | ||||||
順 位 |
ファンド名 (略称) |
信託報酬 (税込) |
実質コスト (税込) |
純資産総額 (億円) |
詳細 リンク |
|
1 位 |
eMAXIS Slim 国内リート |
0.187% | 0.191% | 174.13 | ||
1 位 |
Smart-i Jリート |
0.187% | 0.195% | 49.66 | ||
3 位 |
ニッセイ Jリート |
0.275% | 0.276% | 159.59 | ||
3 位 |
たわらノーロード 国内リート |
0.275% | 0.278% | 135.89 | ||
3 位 |
三井住友・DC 日本リート |
0.275% | 0.331% | 67.66 | ||
6 位 |
iFree J-REIT |
0.319% | 0.328% | 22.33 | ||
7 位 |
iシェアーズ 国内リート(※1) |
0.3685% | 0.448% | 11.45 | ||
8 位 |
野村(Funds-i) J-REIT |
0.44% | 0.445% | 71.67 | ||
8 位 |
eMAXIS 国内リート |
0.44% | 0.443% | 145.18 | ||
8 位 |
SMT J-REIT |
0.44% | 0.444% | 348.34 | ||
※2024年3月15日時点。注記のないものは、すべて「東証REIT指数」に連動。実質コストは、直近の運用報告書のデータより計算。実質コストが入っていないものは、ファンド 設定から1年未満のため不明のもの。 ※1「S&P J-REIT指数」に連動。 |
日本リート連動のインデックスファンドは、僅差の中、eMAXIS Slim 国内リートインデックスとSmart-i Jリートインデックスがトップ。実質コストは、わずかの差ながらeMAXIS Slim 国内リートインデックスが最安だ。
なお、ほとんどの銘柄は「東証REIT指数」に連動しているインデックスファンドだが、7位のi-シェアーズ国内リートインデックスだけが「S&P J-REIT指数」への連動を目指すタイプとなっている。
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先進国リート(一部、全世界リート)
■先進国リート インデックスファンド信託報酬ランキング | ||||||
順 位 |
ファンド名 (略称) |
信託報酬 (税込) |
実質コスト (税込) |
純資産総額 (億円) |
詳細 リンク |
|
1 位 |
eMAXIS Slim 先進国リート |
0.22% | 0.301% | 262.52 | ||
1 位 |
Smart-i 先進国リート |
0.22% | 0.398% | 49.75 | ||
参 考 |
ニッセイ グローバルリート(※1) |
0.297% | 0.367% | 128.99 | ||
3 位 |
たわらノーロード 先進国リート |
0.297% | 0.548% | 285.10 | ||
3 位 |
三井住友・DC 外国リート |
0.297% | 0.427% | 267.94 | ||
5 位 |
iFree 外国REIT |
0.341% | 0.415% | 23.99 | ||
6 位 |
iシェアーズ 先進国リート |
0.429% | 0.817% | 7.09 | ||
7 位 |
野村(Funds-i) 外国REIT |
0.605% | 0.649% | 52.96 | ||
7 位 |
SMT グローバルREIT |
0.605% | 0.662% | 312.55 | ||
9 位 |
eMAXIS 先進国リート |
0.66% | 0.722% | 151.88 | ||
※2024年3月15日時点。注記のないものは、すべて「S&P先進国REIT指数(除く日本)」に連動。実質コストは、直近の運用報告書のデータより計算。実質コストが入っていないものは、ファンド 設定から1年未満のため不明のもの。 ※1 先進国及び新興国市場に上場しているリートの広範な指数である「S&Pグローバルリートインデックス」に連動。 |
先進国リートインデックスファンドは、すべて「S&P先進国REIT指数(除く日本)」という指数に連動しており、その中で信託報酬の低いのがeMAXIS Slim 先進国リートインデックスとSmart-i 先進国リートインデックスの2銘柄。実質コストはeMAXIS Slimが単独でトップとなった。
なお、<購入・換金手数料なし>ニッセイグローバルリートインデックスファンドは、先進国に加え、新興国のリートも投資対象に含まれる「S&Pグローバルリートインデックス」に連動するインデックスファンド(全世界リート)のため「参考」扱いとした。
たしかに、先進国リートと全世界リートでは資産クラスが異なるので正確な比較はできないが、「S&Pグローバルリートインデックス」の国別構成比を見ると90%以上が先進国となっている。そこの違いを気にしない人や、むしろ新興国リートにも幅広く投資したいという人はニッセイを選ぶのもアリだろう。
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低コスト・インデックスファンドの
取り扱い本数が多い証券会社
ここまで紹介してきた低コスト・インデックスファンドの取り扱い本数の多い証券会社を紹介しておこう。各インデックスファンドの販売会社を集計した結果、以下のように5大ネット証券がトップ5を占める結果となった。証券会社の口座を持っていない人は、ひとまず5大ネット証券を選んでおけば、大半の低コストインデックスファンドが買えるだろう。
■「低コスト・インデックスファンド」取り扱い本数ランキング(全120本中) | |||
順位 | 証券会社 | 取り扱い本数 | 公式サイト |
1位 | SBI証券 | 119本 | |
2位 | auカブコム証券(旧:カブドットコム証券) | 116本 | |
3位 | 松井証券 | 114本 | |
4位 | マネックス証券 | 114本 | |
5位 | 楽天証券 | 113本 | |
6位 | SMBC日興証券 | 75本 | |
7位 | 岡三オンライン | 73本 | |
8位 | フィデリティ証券 | 43本 | |
9位 | 東海東京証券 | 38本 |
|
10位 | 野村證券 | 31本 |
|
※2024年3月15日時点。本記事で紹介しているインデックスファンドの販売会社を集計。 |
ただし、直近で設定された信託報酬が最安レベルのインデックスファンドは、5大ネット証券のなかでも一部の証券会社でしか買えないこともあるので要チェック。特にNISAの場合は、口座を開設した後になって欲しいインデックスファンドを扱っていないことがわかっても、翌年まで別の証券会社に口座を移すことができないので、どうしても欲しいインデックスファンドがある人は、そのファンドを買えるかどうか事前に確認しておこう。
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【解説】
投資信託における「実質コスト」の計算方法
最後に、比較表にも掲載している「実質コスト」について簡単に解説しておこう。ただ、ここを理解していなくてもインデックスファンドの比較はできるので、細かい計算が苦手な人は読み飛ばしてしまってもOKだ。
インデックスファンドを含むすべての投資信託は、継続的に発生する費用を「信託報酬」として計上しているが、実際に投資信託を運用すると売買委託手数料や有価証券取引税など、わずかだが信託報酬以外の「隠れた費用」が発生してくる。この実際にかかった「隠れた費用」も含めて計算されるのが「実質コスト」だ。
投資信託の「実質コスト」は以下の計算式で導き出される。
実質コスト=信託報酬率※×1万口当たりの費用の「合計」÷1万口当たりの「信託報酬」
※式中の「信託報酬率」が一般的に「信託報酬」と呼ばれているものにあたる
この式にある「1万口当たりの費用」や「1万口当たりの信託報酬」については、各投資信託の「交付運用報告書」や「運用報告書(全体版)」に記載されている。例えば、以下の画像は<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドの「交付運用報告書」に載っている「1万口当たりの費用明細」だ。
拡大画像表示
計算に使う「信託報酬」と「合計」については、理論上で言えば「金額」と「比率」のどちらを使ってもいいのだが、有効桁数が大きい「比率」のほうを使うのがいいだろう(上の例では「金額」の有効桁数は2ケタ、「比率」は3ケタ)。<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドで設定された信託報酬(信託報酬率)は0.1023%(税込)なので、実質コストは下のように計算できる。
実質コスト(税込)
=0.1023%×0.160%÷0.103%
=0.1589%
≒0.159%※
※有効桁数3ケタなので小数点第4位で四捨五入
なお、「実質コスト」は基本的に投資信託を1年間運用した際、実際に発生した費用をもとに計算されるので、年によって微妙に増えたり減ったりする。なので、現時点の数字の細かいところまで比較して「こっちのファンドのほうが実質コストが0.002%安い!」などと厳密に考えすぎないように気をつけよう。
また、設定されたばかりで運用期間が1年間に満たない投資信託の場合は、実質コストを計算することができない。本記事でも、運用期間が1年に満たないインデックスファンドは「実質コスト」が空欄になっている。
▲目次へ |
以上、主な資産クラスにおける低コスト・インデックスファンドの信託報酬と実質コストを比較した。インデックスファンド選びでもっとも重要となる信託報酬などのコストを比較する際の参考にして欲しい。
最近は、2024年から始まる新しいNISAをきっかけに投資信託への投資を始める人を取り込もうと、各社必死になっている。従来より一段と信託報酬が低い「Tracers」シリーズや「はじめてのNISA」シリーズ、「SBI・iシェアーズ」が相次いで登場したかと思えば、その後を追いかけて「eMAXIS Slim」シリーズが一部のファンドの信託報酬を大幅に引き下げるなど、インデックスファンドにおける信託報酬の引き下げ戦争は激しさを増すばかりだ。
信託報酬の引き下げ競争が激しくなることは個人投資家にとってはメリットだ。しかし、競争が行き過ぎると、従来は信託報酬に含まれていた「指数の標章使用料」を別に分け、見た目上の信託報酬を引き下げた「Tracers」シリーズのような“わかりにくいファンド”が増えてしまう危険性はあるだろう。
しかし、トップクラスの低コストインデックスファンドの信託報酬の差は非常に小さい。信託報酬が低いファンドを買うことにこだわりすぎてインデックス投資が始められないというのは本末転倒だろう。後になってより信託報酬が低いインデックスファンドが出てきたらそちらの乗り換えればいいだけなので、まずは自分なりに現時点でもっとも良いと思えるインデックスファンドを選び、投資を始めてみることが大切だ。
【※NISA「つみたて投資枠」対応のインデックスファンドはこちら!】
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【2024年3月3日時点】 |
||||
順位 | 投資信託本数 ※1 | 最低積立金額 | ||
全体 | ノーロード (手数料無料) |
積立対応 | ||
1位 | ◆SBI証券 ⇒詳細情報ページへ | |||
2577本 | 2577本 | 2390本 | 100円 | |
【特徴・メリット】 投資信託の販売手数料はすべて無料で、投資信託本数の取扱本数はネット証券でトップクラス! スマホアプリ「かんたん積立 アプリ」を利用すれば、投資信託をスマホで管理可能だ。また、投資信託の月間平均保有額に応じてTポイントやPontaポイント、dポイント、PayPayポイント、JALマイルなどが貯まる「投信マイレージサービス」もお得。保有額が1000万円以上なら獲得ポイントが2倍になる(通常銘柄の場合)ので、投資信託が本格的に資産形成を考えている人には、かなりお得だ。買付&積立が100円以上1円単位に引き下げられ、初心者でも気軽に始めやすくなった。投信の買付には、TポイントやPontaポイントが利用できる。投信積立は三井住友カードによるクレジットカード決済「クレカ積立」がお得で、最大で決済額の0.5%ものポイントが貯まる。最近では、低コストなiDeCo(個人型確定拠出年金)にも力を入れており、無条件で運営管理手数料を無料にしている。 |
||||
2位 | ◆楽天証券 ⇒詳細情報ページへ | |||
2556本 | 2556本 | 2407本 | 100円 | |
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3位 | ◆松井証券 ⇒詳細情報ページへ | |||
1861本 | 1861本 | 1840本 | 100円 | |
【特徴・メリット】 投資信託の取り扱い本数を着実に増やしており、現在はランキング3位まで上昇。他社に先駆けて投資信託の販売手数料無料を打ち出したのも高評価だ。さらに投資信託の残高の最大1%分のポイントが貯まるサービスもお得。他社の類似サービスと比較しても、ポイント還元率は高水準に設定されている。投資信託ページは、人気の投信や好成績の投信がすぐにわかる各種ランキング装備、スマホでの見やすさ、直接発注など機能が充実。さらに、投資信託の組み合わせに頭を悩ませる人のために「投信工房」「投信提案ロボ」「投信見直しロボ」という3つの高機能ロボアドバイザーを用意。無料のロボアドバイザーとしては、どれも非常に高い機能を備えている。 |
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順位 | 投資信託本数 ※1 | 最低積立金額 | ||
全体 | ノーロード | 積立対応 | ||
4位 | ◆auカブコム証券(旧:カブドットコム証券) ⇒詳細情報ページへ | |||
1775本 | 1775本 | 1694本 | 100円 | |
【特徴・メリット】 投資信託の販売手数料はすべて無料! 信託報酬控除前のトータルリターンが見られるので、実態に合った取引コストや運用パフォーマンスがわかるのも魅力だ。また「プレミアム積立」は100円から可能。au PAYカード決済による積立なら1%ポイント還元、投資について気軽に話し合えるSNS「ファンドスクエア」も魅力。積立の銘柄選びに役立つ「セレクション」は、ジャンルごとの代表的な銘柄が複数紹介されている。ファンド探しはランキングやファンド検索から。投資信託の月間保有金額に応じて0.005〜最大0.24%分のPontaポイントがもらえる「資産形成プログラム」も上手に活用したい。 |
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【株アプリに慣れていない「株初心者」には特におすすめ!】 | ||||
5位 | ◆マネックス証券 ⇒詳細情報ページへ | |||
1758本 | 1758本 | 1696本 | 100円 | |
【特徴・メリット】 投資信託の購入時手数料はすべて無料! もちろん、NISA口座での取引や「投信つみたて」による購入も手数料0円だ。クレカ積立のポイント還元率は業界トップクラスで、マネックスカードで投資信託を積立購入すると1.1%分のポイントが貰える。さらに、投資信託の保有金額の最大0.08%分のポイントがもらえるのもお得。ファンド探しに迷ったら、自分のライフプランに合ったファンド選びを手助けする「投信ポートフォリオ診断」を参考にするといいだろう。ポートフォリオの分析やリターン予測、アドバイスなどの機能がある「MONEX VISION」も便利だ。ロボアドバイザーサービスは、1000円から始められる投資一任型の「ON COMPASS」と、最低投資金額が5万円で国内ETFで運用を行うアドバイス型の「Monex Advisor」が利用可能。 |
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※手数料などの情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新情報は各証券会社の公式サイトをご確認ください。※1 投資信託本数は、各証券会社の投資信託サーチ機能をもとに計測しており、実際の購入可能本数と異なる場合があります。 |