どうして、一人だけ選ばれなかったのか?

「同期入社した3人のうち、他の2人は今年、管理職になったのに、私だけ昇格できませんでした。どうして、私一人だけ選ばれなかったのでしょうか?」

 先日、キャリアカウンセリングにいらした方からの相談です。このように昇進・昇格をめぐるご相談は、年々増えてきています。

 多くの会社の人事制度では、昇格と昇給はセットです。管理職に昇格できれば、それは自動的に年収の増加を意味します。その両方を手に入れるには、社内で「選ばれる人」になる必要があります。ですから、昇格を目指している人が、効果的な自己アピールの方法を知り、昇進に必要なスキルを身につけるために、アドバイスを求めてキャリアカウンセリングをご利用されるケースが増えています。

 せっかく管理職候補になりながら、昇進と昇給の両方を手に入れられずに逃してしまった人には、ショックは隠せません。自分に何が足りなかったのか?これからどうしていくべきか?その疑問と不安を解消するために、カウンセリングにいらっしゃる方もいます。

 この相談者は、冒頭の質問を上司にもしてみたところ、上司からはこのように回答されたそうです。

「君には、いままでに何度もチャンスをあげてきただろう。僕は君を、他の2人と同じスタートラインに立たせてあげたんだけどね…」

 ご相談者に詳しく聞いてみると、「もしかすると、あれが上司が与えてくれたチャンスだったのかも…」と思い当たることがいくつか挙がりました。

 彼女は、何度も上司からチャンスを与えてもらったのに、どうしてそれを活かすことができなかったのでしょうか?