「この本のおかげで出世できた」「チームのパフォーマンスが上がった」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』『パーフェクトな意思決定』シリーズ四部作だ。これまで4400社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「一生活躍し続けられる」メソッドや思考法を授ける本シリーズは、さまざまな業界から圧倒的な支持を集めている。今回は、全ビジネスパーソンに必須の「リーダーシップ」のあり方を指南する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「仕事ができる上司の会話」に含まれる、たった2文字の言葉とは?Photo: Adobe Stock

その2文字は「数字」

 部下に信頼される上司、成果を出す上司、会議で納得感を生む上司。

 彼らに共通するのは、会話に「数字」が含まれていることです。

 たった2文字でありながら、組織の透明性・納得感・行動力を大きく左右します。

 一方、数字を使わずに感覚だけで語る上司は、意図が伝わらず、指示があいまいになり、結果として部下のモチベーションを削ぎます

数字は「誤解を減らすための道具」

「なるべく早く」
「もっと頑張れ」
「もう少し丁寧に」

 こうした表現は、一見やさしく、柔らかいようでいて、極めてあいまいな指示です。

 数字を使えば、受け手にとっての判断基準が明確になります

「3日以内に提出して」
「エラー率を5%以下に抑えて」

 といった表現であれば、誰が見ても同じ行動につながります。

数字があると、会話が「行動」に変わる

 数字があると、人は具体的な行動をイメージできます。

 たとえば「売上を上げよう」ではなく「今月、前月比+10%を目指そう」と言えば、部下はどの施策をどの規模で動かすべきか、判断しやすくなります。

 逆に、数字のない会話では、行動がぼやけ、後回しや思考停止につながることが多いのです。

数字のない上司は、責任を回避している

 数字を避ける上司の心理には、責任をあいまいにしたい願望が潜んでいます。

「目標を定めれば、達成できなかったときに責められる」
「数字で管理すると、人間味がないと思われる」

 こうした感情が、数字を避ける理由になっているのです。

 しかし、組織を前に進めるためには、人間味よりも明確な指標が必要です。
 信頼されるリーダーほど、数字で語り、数字で人に仕事を任せます

仮面をかぶってでも、数字を使いこなす

 本音では「感覚で察してほしい」「細かく管理したくない」と思っても、リーダーであるならば、仮面をかぶって数字を前提に会話すべきです

 数字がある会話は冷たく感じるかもしれませんが、その冷たさこそが、組織に明快さと安心感をもたらします。

 感情は一歩引いて、仮面をかぶって、数字で語りましょう

(本稿は、リーダーの仮面の著者・安藤広大氏が書き下ろしたものです)

安藤広大(あんどう・こうだい)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4400社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計170万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。