ライブ配信サービス「ふわっち」ライブ配信サービス「ふわっち」

東京・高田馬場駅近くの路上で、刃物で刺され亡くなった「最上あい」こと佐藤愛里さん(22歳)。彼女はライブ配信サービス「ふわっち」のライバー(配信者)で、彼女を刺した高野健一容疑者はその視聴者だった。ふわっちとはどのようなサービスなのか、他の配信サービスとの比較もしながら紹介する。(ダイヤモンド・ライフ編集部)

ふわっちは「ユルい」「気軽」「一般人向け」配信サービス

jig.jpの創業者、福野泰介氏は実績多数のプログラマーで、jigブラウザもjigtwiも福野氏が開発したもの。現在は社長の座を川股将氏に譲り、自身は「一日一創」のスローガンで日々新しいサービスを作ったり、プログラムを書いたりしているjig.jpの創業者、福野泰介氏は実績多数のプログラマーで、jigブラウザもjigtwiも福野氏が開発したもの。現在は社長の座を川股将氏に譲り、自身は「一日一創」のスローガンで日々新しいサービスを作ったり、プログラムを書いたりしている 拡大画像表示

「ふわっち」は、jig.jpの子会社、A Inc.が運営するライブ配信サービスだ。スマートフォンやパソコンを使って、誰でも簡単に動画やラジオの生配信を行ったり、他のユーザーの配信を視聴したりできるプラットフォームである。2015年に開始したサービスで、月間課金ユーザー数は4万人(2023年12月)、累計ダウンロード数は公式発表で300万を突破している。

 jig.jpはもともと、携帯電話で使えるフルブラウザ「jigブラウザ」や、同じく携帯電話で使えるTwitterクライアント「jigtwi(ジグツイ)」などを開発・提供していた、福井県発のソフトウェア企業である。jigtwiはiPhone版やAndroid版も提供されており、いずれも人気アプリだったので使ったことがある人もいるかもしれない。

 現在、jig.jpグループの主力事業となっているのが、ふわっちである。最大の特徴は「気軽さ」だ。スマホ一台あればすぐに配信を始められ、特別な機材や事務所への所属は不要。視聴も会員登録なしで無料で楽しめる。高画質配信にも対応している。

 このように個人が配信できるサービスは、ふわっちの他にもいろいろある。「YouTube Live」「ツイキャス」「17LIVE(イチナナ)」「Pococha」などが有名だが、ふわっちが他の配信サービスと大きく異なるのは、その自由度の高さ、言い換えれば「ユルさ」である。

 飲酒や喫煙しながらの配信も許可されており、他のプラットフォームでは禁止されていることが多い行為も比較的自由に行える。アプリストアを見ると「飲酒しながら配信できるのが最高。友達とオンライン飲み会みたいにして楽しめた」「規制が緩いのがふわっちの魅力」というレビューも見られる。