ドラマ『プライベートバンカー』より唐沢寿明さん演じる主人公・庵野甲一ドラマ『プライベートバンカー』より唐沢寿明さん演じる主人公・庵野甲一　提供＝テレビ朝日

「プライベートジェットを買ってきてほしい」「数百億円を超える資産の管理と運用を任せたい」――。こうした超富裕層の贅沢な悩みを解決することを生業とするのが「プライベートバンカー」。税務対策や相続問題、資産運用から特別な買い物やテニスの相手まで、顧客のためなら何でもする、いわば超富裕層に特化した御用聞きだ。放送中のドラマ『プライベートバンカー』（テレビ朝日系列、毎週木曜午後9時〜）を題材に、現役のプライベートバンカー2人に「超富裕層の生態」と「プライベートバンカーの仕事」を教えてもらった。表に出ることがない超富裕層ビジネスの内幕をご案内しよう。（構成／ダイヤモンド・ライフ編集部）

《案内人》
プライベートバンカーA（本文A）：香港・シンガポールの外資系プライベートバンカーを経験して日本で独立。現在は複数の一族を相手にするマルチファミリーオフィス型のプライベートバンカー。
プライベートバンカーB（本文B）：現役の大手金融機関プライベートバンカー。超富裕層に向けのプロダクト開発に携わるなど、超富裕層の生態を熟知している。

超富裕層が相手の人間性を
試すために課す試練とは

庵野甲一「富裕層との向き合い方で最も大事なことは、『信用』を得ることです」
（ドラマ『プライベートバンカー』第1話より）

A　信用という言葉が出てきましたね。お金持ちが信用する人の特徴というと、何か意識していることはありますか？

B　いくつかあります。人は自分の信頼する人が信頼する人を信頼しやすいんです。

　特に最近の若年富裕層は、よくコミュニティをつくります。ベンチャー企業から上場したような方々に多いんですけれども…そういった方々は、コミュニティのメンバーで同じファミリーオフィス※を使っていることもあります。

※ファミリーオフィス：富裕層の一族が永続的に繁栄するために、保有する資産を運用・保全する組織

　なので、騙されるときも一緒です。自分が信頼できる人が信頼してる人だから、大丈夫だろうと思って、芋づる式で資金詐欺の被害に遭うケースをよく耳にします。