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山崎元のマネー経済の歩き方

運用ノウハウと土地の共通点

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第124回】 2010年4月12日
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 資産運用に関する会合で、ある大学の先生が「優れた運用ノウハウは経済的にはレントと同じ性質ですから、その価値はすべて持ち主に帰属します」と発言された。

 言葉を補うと、優れた運用ノウハウは(確実に儲かる情報も)、その持ち主がそれを使って収益を上げることができ、競争のすえには、結局持ち主だけが価値を手にする点で、地代(レント)と同じ経済的性質を持っている、というのがご発言の意味だろう。

 結論だけを聞くと、アクティブ運用を他人に任せることはムダだと解釈したくなる。しかし、先生のご発言は、資金の提供者(スポンサー)は、優れたノウハウを持つ運用者を発掘し資金運用を任せるよう努力して、ついにはスポンサーが資金運用を任せる意味がなくなるところまで競争することによって、有効な運用ノウハウが発見・評価されるだろうから、アクティブ運用に資金を任せることは社会的に意味があるのだという趣旨でなされたものだった。

 そのとおりなら、運用業界にとって大変心強い意見だ。

 相対的に優れた運用ノウハウは、有限な価値の上限を持っている。運用の世界で「優れている」と評価されるためには、市場に参加している誰かが平均以下の運用成績になって、自分がその平均との差をプラスの側で吸収できなければならない。つまり、運用の世界では、「上手の価値」は「下手の規模」に制約される。誰かが間違えてくれなければ、上手は上手たりえないのだ。

 また、多くの運用者は、自分の運用ノウハウが、どの程度の資金規模が最適で、資金がどのくらい以上になると、運用が難しくなるかについて、直観的に制約を感じている場合が多い。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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