“イマドキ世代”同士でもギャップは起きるもの。しかも年齢が「1つ」しか違わなくても、です。

 学校を卒業して期待に胸を膨らませた新入社員と、彼らの一番身近な先輩である社会人2年生の間で、些細な喧嘩やイザコザが起きているとの話をよく耳にします。2年前までお互いに学生同士だった身近な存在のはずなのに、どうしてぶつかってしまうのでしょうか?

 彼らから詳しく話を聞くと、過度に先輩風を吹かす社会人2年生の態度とそれが気にくわない新入社員のギャップがきっかけになっているようです。お互いが近い存在であるがゆえに対立が起きてしまうようですが、対立の根本となる原因と、それを避ける方法を今回もケースを見ながら考えていきましょう。

ギリギリまで心を開かない
今年の新入社員は「ETC型」

 昨今の経済不況により、採用数が大幅に減少したといわれますが、それでも春先の街では初々しスーツ姿を頻繁に見かけます。やはり「社会人になりたて」と「経験者」は身だしなみからしても違いが明らかです。新入社員である彼らはスーツもシャツもネクタイも新調したばかりで、歩く姿が何となくオドオド見えたりします。そんな初々しい姿も社会人として1年も経過すれば、街で見かける普通のビジネスパーソンに進化します。それだけ職場という荒波にもまれるからなのでしょうか?

 さて、先日入社した2010年度の新社会人は、厳しい就職戦線を勝ち抜いてきたと同時に、いわゆる「ゆとり教育」を完全に受けた第一世代です。「2010年度 新社会人の意識調査」(イーキャリア調べ)によると、今年の就職活動を「楽ではなかった」と回答したのは62.5%(前年比10.5ポイントアップ)。そして、全体の約半数が入社前に「不安」を感じていたと回答していました。

 「自分が社会で通用するかを考えると自信がない」

などという弱気な声を私もたくさん聞きました。超難関となった就職活動によって、社会人としての第一歩をかなり厳しく考えすぎているのかもしれません。さらに不安を駆り立てる理由として「先輩・上司とのコミュニケーション」が最も多く挙げられています。そんな2010年入社組を日本生産性本部は、親密になる直前まで心のバーが開かない「ETC型」と定義していました。

「自分は先輩」「仕事ができる」
社会人2年生が“陥りがちな罠”

 そんな2010年型新入社員と入社2年目の社員は、年齢も近いのでギャップなんて無いと思われるかもしれません。しかし、冒頭でも述べたように実際はそうでもありません。仮に学生時代にそれぞれ4年生と3年生として面識がある2人が2年後に同じ職場で再会したとしましょう。