忘年会に新年会、クリスマスや年越し、正月の集まりなど、食事の管理が難しい年末年始。食べ過ぎ、体重増加が気になる人にぜひ読んでほしい1冊が『英国の専門医が教える 減量の方程式』だ。
著者はオックスフォード大学医学部を首席卒業後、食欲や体重管理の研究でイギリスを代表する減量専門医のサイラ・ハミード氏。イギリスで深刻化する肥満人口増加を食い止めるべく、「フル・ダイエット」と呼ばれる減量プログラムを考案。参加者たちは平均16キロ減量、糖尿病の改善、血圧低下など、科学的にめざましい効果が実証された。
ついに刊行される日本語版の本書から、今回は「痩せる人の食べ方」について、特別に抜粋してお届けする。
1 お腹が空いたら食べ、
空腹が満たされたらやめる
「自然に」痩せている人は、空腹・満腹の信号システムに同調しています。グレリンによる空腹信号が強いときに食べ、満腹のメッセージを受け取ると、まだ皿に食べ物が残っていても食べるのをやめるのです。
本プログラムを実践すれば、あなたの空腹感と満腹感の信号システムは再び正常に動作するようになります。ただし最初のうちは、身体の声に耳を傾けるための意識的な努力や集中が必要です。
それを続けていると、身体のメッセージがよく聞こえてくるようになります。次第に、「自然に」痩せている人のように、いつ食べ、いつやめるべきかがはっきりとわかるようになるでしょう。
2 ゆっくり食べる
「自然に」痩せている人は、ゆっくり食べます。その結果、満腹ホルモンのメッセージをはっきりと感じられるようになります。
痩せている人は一口が小さく、よく噛みながらゆっくり食べているのを見かけたことがある人もいるのではないでしょうか。
あなたも、満腹感のメッセージを脳に最大限に伝えるために、ゆっくり食べることを選択できます。
カロリー制限ダイエットとは異なり、本プログラムは食べ物や食べることを楽しみます。ゆっくりと五感を使って一口ずつ味わって食べれば、食事はさらに楽しくなります。
3 たまにお腹が空いても、
それに耐えられる
「自然に」痩せている人は、食事のタイミングがないときや、適切な食べ物が手に入らないときは、空腹を我慢できます。
このような状況に置かれたとき、とりあえず手に入るものを食べようとするのではなく、しばらくのあいだお腹を空かせたままで過ごすのです。これは、あなたにもできることです。
本プログラムは、食事量を制限したり、意図的に空腹になったりはしません。そうではなく、プログラムが推奨する食べ物がすぐに手に入らないときは、プログラム非推奨の食べ物を口に入れて当面の空腹を解消しようとするのではなく、しばらくのあいだ、身体に備えられた燃料タンクからエネルギーを得ようとするのです。
たとえば、夕方、家に帰る途中でお腹が空いたとき、その空腹を紛らわすために近くで手に入るものを買って食べるのではなく、しばらくは我慢し、帰宅してからプログラムが推奨する美味しい食べ物を食べるようにします。
重要なのは、空腹を感じてもそれを満たせないカロリー制限ダイエットとは異なり、本プログラムでは、次に食事ができるようになったときに、推奨される食べ物で充分にお腹を満たせることです。
空腹は、「常に緊急の注意を必要とするもの」から、「自分の味方として働いてくれる、単なる身体のメッセージ」に変わります。
(本稿は、『英国の専門医が教える 減量の方程式』を一部抜粋・編集したものです)