忘年会に新年会、クリスマスや年越し、正月の集まりなど、食事の管理が難しい年末年始。食べ過ぎ、体重増加が気になる人にぜひ読んでほしい1冊が『英国の専門医が教える 減量の方程式』だ。
著者はオックスフォード大学医学部を首席卒業後、食欲や体重管理の研究でイギリスを代表する減量専門医のサイラ・ハミード氏。イギリスで深刻化する肥満人口増加を食い止めるべく、「フル・ダイエット」と呼ばれる減量プログラムを考案。参加者たちは平均16キロ減量、糖尿病の改善、血圧低下など、科学的にめざましい効果が実証された。
ついに刊行される日本語版の本書から、今回は「NG食習慣」について、特別に抜粋してお届けする。

【減量専門医が教える】太りたくなかったら、真っ先にやめたほうがいい習慣ワースト1Photo: Adobe Stock

アルコールは控える

 お酒は糖分の多い飲み物です。アルコール飲料によっては、含まれる糖分が少ないものもあります。たとえば、赤ワインには、ビールよりも少ない糖分しか含まれていません。とはいえ、すべてのアルコールは発酵した糖溶液です。

 アルコールは減量プログラムの進行に悪影響を及ぼします。アルコールを飲むと、血中の糖が増えます。その結果、インスリンが分泌されて血中の糖が脂肪に変えられ、体重が増えることになります。

太りたくなかったら、
お酒をやめるべき4つの理由

 アルコールは他にも、望ましくない作用をもたらします。

 まず、お酒を飲むと判断力が鈍り、空腹感も増すので、NG食品に手を出しやすくなります。

 次に、アルコールは血糖値を不安定にします。飲むと血糖値が急上昇し、次に急降下します。「フル・ダイエット」では、この血糖値のジェットコースターから抜け出し、血糖値を安定させて気分を良くすることを目指しています。アルコールを飲むと、それが台無しになってしまうのです。

 さらに、アルコールは睡眠を妨げます。お酒を飲んだ日の夜に、ぐっすり眠れると感じることもあるかもしれません。しかし実際には、睡眠の質は低下しているのです。

 睡眠は体重と健康にとって極めて重要です。睡眠が乱れて質が悪くなると、翌日のインスリン値が高くなります。つまり、身体は脂肪を蓄積するモードになります。また睡眠不足は空腹ホルモンを増加させるので、お酒を飲んだ翌日はお腹が空きやすくなります。

 また、アルコールはストレスを解消するのではなく、それ自体がストレスを引き起こします。ストレスに対処したり、リラックスしたりするためにアルコールが必要だと感じている人は、かかりつけの医師に相談してみてもいいでしょう。

 こうした理由から、アルコールには注意が必要です。プログラム開始後の8週間は、新しい習慣を身につけるためにも、お酒を飲まないことを選択してください。

1滴も飲んではいけないのか?

 プログラムを開始してある程度の期間が過ぎ、充分に慣れてきたら、少量のアルコールを飲むことを再開してもいいでしょう。とはいえ前述した理由から、過度の飲酒は控えましょう。

 多くても週に1、2回程度に留めるべきです。飲む価値のあるときだけ楽しむ、というルールを設けてもいいでしょう。

 たとえば、誰かにすすめられたワインや、贈り物のワインを飲むときなどです。今日は飲んでもいい、という特別な日を選びましょう。節度を持ってゆっくりと味わい、1人ではなく大切な人と一緒に飲み、適量に留めましょう。

(本稿は、『英国の専門医が教える 減量の方程式』を一部抜粋・編集したものです)